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「スクラム開発でいつデザインしてますか? #1」/とある製品のデザイナー&リサーチャー小話 in Cybozu

こんにちは。CybozuGaroonという製品を担当しているプロダクトデザイナーとUXリサーチャーのチームです。今の自分達のチームにあったサイズ感で定期的に情報発信できないか考え、サクッと読める「小話」という感じで投稿しています🙂

登場人物
河内山:プロダクトデザイナー/2006年中途入社
Nia:プロダクトデザイナー/2020年新卒入社
河合:プロダクトデザイナー/2024年新卒入社
白石:UXリサーチャー/2021年中途入社
東條:スクラムマスター・Android PG/2019年新卒入社

河内山:
今回のテーマは以前から話したかった「スクラム開発でいつデザインしてますか?#1」にしました。「#1」としたのは、まだ続編があるということで。
今日いるメンバーが所属しているGaroonモバイルチームは比較的教科書どおりのスクラム開発に取り組んでいると思っていますが、スクラム開発の中でデザイナーがいつデザインするかは、多くの現場で試行錯誤している印象があります。社内でもスクラム開発を導入しているチームがありますが、他チームのデザイナーに聞いても、デザインのフローはまだまだ試行錯誤という声を聞いています。
そんな中、Garoonモバイルチームで導入した「デザインスパイク」という試みをキーワードに今日は話していければなと思っています。よろしくお願いします。

本題に入る前に今回は新メンバーとゲストがいますので、自己紹介お願いします。

河合:
2024年新卒のプロダクトデザイナー職で入社した河合佑希と申します。大学では情報工学を専攻していました。技術ドリブンなものづくりではなく、誰かの課題を解決するサービスづくりに携わりたいという想いからデザインを勉強し始め、デザイナーを目指して就職活動をしていました。7月からGaroonに配属となり、Garoon Design & Reseachのメンバーとして活動しています。よろしくお願いします!

東條:
Garoonモバイルチームでスクラムマスターをやっている東條です。今年の2月からスクラムマスターとして活動しています。それ以前は同じチームのAndroid PGとして、デザイナーと一緒にプロダクトを開発していました。今日はお招きいただきありがとうございます!

一同:
よろしくお願いします。

河内山:
ということで今回は5人で小話をお届けします。楽しみですね。
最初に僕の方からデザインスパイクの概要や背景を紹介したいと思います。まず前提として、Garoonモバイル開発ではリファイメントは提供価値について認識を合わせる場で、そこでデザインの話は基本的にしません。デザインを含めたソリューションについては、開発スプリント初日のプランニングで決める流れがあります。デザイナーもスクラム開発メンバーなのでエンジニアや他職能メンバーと一緒にプランニングに参加しています。

リファイメント後にデザイナーはプランニングに間に合うようにデザインプロトを作成しているのですが、以前はプロトが間に合わないのを懸念して、次のスプリントでピックされそうなPBIの自発的な情報収集が必要になっていました。例えば都度PMにプッシュで確認したり🙄。。。このフローが属人的かつ心理的安全性が乏しいのが課題になっていました。そこでデザイナーが提案したのが「デザインスパイク」です。

端的にいうとリファイメントと開発の間に1スプリントデザイン作業用のPBIをまわすフローです。デザインスパイクがいる/いらないはリファイメントでデザイナーが作業ボリュームを見積もって宣言します。開発チーム内で公明正大にデザインの作業時間が確保されるため、前述の課題が解決できるのを見込んでいました。

デザインスパイク導入前後
デザインスパイク導入前後

河内山:
実際にデザインスパイクが運用されて数ヶ月経ちましたが、現場のデザイナーとしてNiaちゃんどうでしょうか?

Nia:
心理的安全性の部分に関して、改善したと思います。以前はデザイナーがタイミングを見てデザインをしていたり、デザイナーの作業の透明性がなかったりしていたのですが、デザインスパイクを導入することによって、デザイナータスクの見える化やチーム全体に共有しながらUIを作り上げていくことがよりできるようになりました。その結果、より質の良いUIをプランニングで共有することができるようになり、さらにプランニング中の議論も円滑に進められるようになったのはとても大きな変化だと思っています。

河内山:
課題の改善はデザイナー内でも実感できてますよね。「質の良い」「円滑」についてより詳しく聞きたいです!

Nia:
スパイクの期間で細かいところまでUIを擦り合わせることができるので、UI作成時や実装時の考慮漏れもカバーできているのではないのかなと思います。また、円滑に進められると言うことに関しては、プランニングで時間をそこまでかけなくてもUIを共有できるようになったかなと思います。

河内山:
あげてくれたポジティブな成果は僕も共感してます。良いですよね。課題感とかはどうですか?

Nia:
そうですね。デザインスパイクがあることで、質が良くスムーズな議論ができていると感じる反面、デザインスパイクを設けたことによって全体の開発着手までに時間がかかってしまっていないかなと思う時があります。個人的に私が思っているだけかもしれませんが。

河内山:
そのあたりは深堀りしたい点ですね。河合さんは新人ということもあり、スクラム開発全体でも発見があると思うのですが、デザインスパイクやその周辺含めて所感を聞かせてもらえると嬉しいです。

河合:
デザインスパイクがあるスクラム開発を体験して良いなと感じているところでいうと、スクラム開発の中でデザイナーのタスクを扱う形になっているので、より開発メンバーと近い距離で一つのチームとなってデザインを作っていっている感覚があるなと思っています。
ただ、自分が感じている課題は2点ほどあります。
1点目は、デザインスパイクをやるかやらないかの判断が難しいなと感じています。判断自体はデザイナーに委ねられていますが、新規の画面があったらデザインスパイクをやるのか、デザイン検討の工数がかかりそうだったらデザインスパイクをやるのか、そのあたりの判断基準や感覚を掴むのに少し苦戦しています。
2点目は、バックログができてからデザインスパイクのタスクに取り掛かるフローになっているので、どうしても実装に取り掛かるのが遅くなってしまうというのが課題として挙げられると思います。アジャイル開発をしているので、小さく速めに作ってユーザーに提供したいという気持ちがあるものの、デザインスパイクの期間を設けることでリリースまでの期間が少し長くなってしまうというのが現状の課題としてありそうです。

河内山:
既にかなり全体が見えてる感ある的確なコメントですね。。デザインスパイクを入れる入れないかの判断は、先輩であるNiaちゃんも悩むことあると以前話してましたね。あとはリードタイムの話は開発チーム内でも話題にもなるので、大事なポイントだと思います。
東條さんはスクラムマスターとしデザインスパイクについてどう考えてますか?

東條:
スクラムマスターの視点としては、透明性の面で、デザインスパイクの導入は良かったと思います。スクラムには”透明性”、”検査”、”適用”の3つの軸があって、それらをベースに改善サイクルを回して最適化を行っていくのがスクラムのプラクティスです。デザインスパイクの導入によって、これまで隠れていたデザイン作業が明るみに出たことで透明性が上がり、検査、適用できる状態にもっていくことができました。改善の第一歩としては効果的だったと思います。
今はデザイナーを中心に、今のデザインスパイクの進め方に課題を感じていて、改善する動きがありますが、悲観的になる必要はないと思っています。状況は常に変化して行くので、それに合わせて手段を変えていくのは自然なことで、健全な姿だと思っています。また、デザイナーが主体性を持って改善する姿勢がGoodだと思っています。

河内山:
いつもこの小話noteはデザイナーとリサーチャーで話しているので、別の職能の意見が入ることで、すごく視野が広がった気がします。「悲観的になる必要はない」と言ってもらえると、今後のチャレンジしやすくなりますね。
最後にリサーチャーの白石さん、コメントお願いします。

白石:
以前、リサーチ活動は開発とは別のJIRAでプロジェクトを管理していたのですが、それを開発チームと同じJIRAでPBI化することにしました。それによってチームの関心がディスカバリーに向くようになり、情報共有やコミュニケーションがしやすくなりました。

河内山:
そうですよね。リサーチャーのタスクがPBI化されたのも大きな一歩だと思ってます。
デザイナーが感じている課題ですが、今チームで議論している、ディスカバリーフェーズの検討で改善するものもありそうですよね。「#2」への予告になりますが、最後に軽めに話してもらえますでしょうか?

河合:
Garoonモバイルチームはまだ立ち上げからあまり時間が経っていないので、ディスカバリーフェーズに関しても各メンバーが課題意識を持っています。価値の種を検証し、開発に繋げていくプロセスをよりスムーズにできないか、PM・UXリサーチャー・デザイナーを中心に議論を進めている最中です。

白石:
各職能で感じたちょっとしたモヤモヤを気兼ねなく発言できる環境ができているので、良いプロセスができるんじゃないかなって思っています!

東條:
プロセス全体を見ても。今はディスカバリーフェーズが充分に整備されていないので体系化されたプロセスを作って素早く価値検証フローを回せる体制にして行きたいと思っています。個人的には新体制のプロセスは、デザイナーが中心に入ってもらうフローになればいいなと思っています。

河内山:
ありがとうございます。いい感じで「#2」の予告になった気がします。僕はディスカバリーフェーズの改善にはメインで参加していないので個人的にも経過を楽しみにしています。皆さん、引き続きよろしくお願いします😌

(終)

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