クラウド分解サービス
以前「仕事における経験の顕著な差は「分解能力」にあらわれる」という思いつきをメモしたが、そのときに考えたWebサービスのアイデアがある。
ある課題/目標を設定して、それを解く/実現するために何が必要か、何をしなくちゃいけないか、の、いわばToDoリスト作成を不特定多数でやっちまったらどうだろうというもの。
たとえば「クラフトビールの製造直売(Brew Bar)をやりたい」という目標を誰かがオーナーとして登録するケースを考えてみる。
SNSとかで拡散されたそのお題を目にした誰かがサービスにアクセス。お題の背景や条件設定なんかを一読した上で「分解/リスト追加」というボタンをクリックして「酒類製造免許を取得する」と書き込む。
その分解に対して他の誰かがさらに「免許種類の決定」と書き込む(筆者註:一般にビールに関連する酒類製造免許には「ビール」と「発泡酒」の2種類があって、それぞれに製造可能なビールの条件や販売要件が違う)。
オそれに対してーナーが「そうだな、発泡酒製造免許にしよう」と決めて書き込んだら、今度は別の誰かが「年間6000L製造できる設備を用意する」とさらに分解する。
こうして分解と同時にまったく別方面から「店舗を探す」とか「ビールサーバーの調達」とか「メニュー検討」とか「資金調達」とか「従業員募集」とか、他にも検討したり準備したりしなくちゃならないことがよってたかってどんどん書き込まれる。言うなれば「クラウド分解サービス」。
昔から3人寄れば文殊の知恵だの、餅は餅屋だの、世の中にはいろんな言葉があるけれど、要するに「みんなの知恵を集めよう、知ってるヒトに聞こう」が成功確率も効率もUPさせるということなんだろう。いわゆる、ナレッジのシェアリングエコノミーというやつだ。
それをガッツリとビジネスとして手がけているのがビザスクだとおもうけど、このサービスはもうちょっとライトでカジュアルでいいかもしれない。だからお題は「ハワイで素敵な結婚式を挙げる」とか「世界平和」とかでもいい。
...とはいえ、ビジネスとして成り立つこともサスティナブルな要件のひとつ。なのでビジネスモデルについても考えてみたい。
分解が進むと、結局それは誰かができる(もしくは方法やできるヒトを知っている可能性が高い)タスクまで落とし込めるんだと思う。だからオーナーはそれをそのヒトに発注すればいいんじゃないか。
言うなれば、受け手が自分で仕事を創れるクラウド・ソーシング。クラウド型タスク分解&ソリューション・プラットフォームなのだ(報酬はエスクロー式でサービス上でブロックチェーン技術使ってマネジメントすればいいね)。
実現できれば、これまで1年かかってた仕事が3ヶ月で終わるかもしれない。そうすれば空いた時間は品質の工場やさらなく価値創造、他の仕事やQOL向上に充てられる。つまり日本全体の生産性が向上し、価値創造型の社会になる。知識資産の移転や継承も行われる。
面白い気がするな。