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【泣く女】

ある日のこと、ブツブツと独り言の多い、女性の客が来た。正直何言っているかは聞き取れない。

暫くしてドリンクバーで泣き出す。優しいスタッフが宥めてどうにかなったが、彼女曰く、「娘を探していてもう会えない。攫われたかもしれない」ということがなんとかわかったらしい。
まあ、それは悲しい話ではあるが、その客が常連になった。独り言や泣き出すのは恒例となる日々で、清掃時にはレシートが大量に出てきて「教えてあげない教えてあげない」と大量に書かれていた。

そんな日が続いていたが、遂には店内で利用しているお客さんにも、「子供連れいませんか?」と聞き出す。そして「娘がいなくなった」と泣き出す。そしてついにお金が払えないという事態になる。
お金が払えない場合は、紙に電話番号などを聞き、後日払ってもらうことになっているのだが、本当に繋がっている電話かどうか確認するため電話をかけてみた。

すると電話で誰かが出た。女の人だ。私は「この客がお金が払えないため電話をかけさせてもらった」ことを話す。電話の女性は納得する。因みにこの客との関係性を話してくれたのだが、電話の相手は娘だった。娘は一人しかいない。

娘はいた。では、この客が数日にわたって言っていることはなんだったのだろうかと思ったが、これ以上聞くのをやめた。

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ネカフェの闇
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