【はだしで歩く女と半裸の男】
この店から漂う異常な雰囲気は、初勤務の時から感じていたが、それが目に見えて分かった瞬間がある。
それは、店内をはだしで歩く女がいることだ。そしてトイレにいつも向かう。
別に自分になにかしてきたわけではないのだが、虚ろな目でペタペタと店内を歩く人を見たのは初めての経験で、完璧に私は震えてしまった。
この店はそれだけじゃなく、上半身裸で歩く男も出現する。ズボンがずり下がっていて、半ケツどころか7割ケツの男もいる。
はだしに関しては注意しなかったが、半裸や7割ケツに関しては注意したが、毎回「おう。わかったわかった」で終わる。
で、何が怖いって、こういう人も見ても何も感じなくなった自分である。数年この店で働いてわかったが、こういう連中はランクで言ったらD級である。
お店やスタッフになにかしているわけではない。これから出会うS級クラスの連中に比べれば、無害だ。言うなれば彼等とは文化が違うのだ。そうだ。そうなのだ……と思うしかない。
ただ、この時私はこの店の洗礼を受けた気がし、これから出会う様々な強敵の来襲を感じた。
※面白かったらサポートをお願いします。100円からできますので、うまい棒をぜひ私に。
いいなと思ったら応援しよう!
ネカフェ日記を読んでいただきありがとうございます。
よろしければサポートお願いいたします。明日への活力になります。