頑張るって何?って話
今日は洗い物をしながらMOVEDさんのぶっちゃけnightを見まして、今夜は【評価を欲しがる人あるある】というテーマでした。評価が給与に及ぼす影響とか、そもそも評価って、というお話しの中で最後の方に出てくるワードがこちら。
>頑張るって何だ?
本当に思う。頑張るの定義は様々あれど、僕頑張っていません!って声高らかに会社で言う人いたら困るよね。
だし、仮に高らかでなくとも、小さな声でも困るよ。
「ああすみません、今日は頑張れないんですよ。炊飯器の保温ボタン切り忘れちゃって」
「えっ?いやだから家出るときに炊飯器の保温ボタンを切り忘れたんですよ。で、帰って炊飯器開けたら部分的にカチカチになってる米がありそうじゃないですか。」
「奥歯でガリッてなって嫌な気持ちになることあるじゃないですか。アレ想像したら何か元気なくなってきちゃって。」
「なので今日ちょっと頑張れなさそうなんですよね。すみません。」
困るよ。やめてくれよそんなこと言うの。
こんな人はいないかもしれないけど。
これって、頑張ってる or 頑張っていないどっちですか?って聞かれたらどう評価するかな。
「頑張っていない」とストレートに評価できるかな?
えっ、じゃあこんな米粒奥歯くんが頑張ってるってこと?
そういう話じゃなくて、頑張ってるとか頑張っていないとかそういうステージの話じゃないってこと。
この人は評価云々じゃなくて、やることをやっていない。就業規則に「ちゃんと働いてね!」って書いてあるなら働かなくちゃ。これはただの職務怠慢。
で、問題はここからだ。この米粒奥歯くんはやるべきことをやっていない、職務を全うしていない。では、米粒奥歯くんの対にあるのは何か。米粒奥歯くんってなに?
それはルール(就業規則)に則って「やるべきことを当たり前にやる」ということ。
これよ。これを頑張っているという人がいる訳だ。
例えば、
・期限通りに仕事を完成させる
・基本的な業務プロセスやルールを守る
・会議や打ち合わせに遅れずに参加する
・基本的な職務知識を持っている
・チームメンバーと基本的なコミュニケーションを取る
・軽微な問題を自分で解決する
・自分の仕事スペースを整理整頓する
これらは、職場での基本的な期待に応えるものであり、多くの職場では「当たり前」と見なされることが多いんじゃないかな。まだまだあるぞ。
・プロジェクトやタスクへの積極的な取り組み
・自己学習やスキルアップ
・同僚へのサポートや助言
・ミーティングでの積極的な発言
・勤務態度の一貫性
・フィードバックの積極的な受け入れと改善
えっ!そんなことまで!?
落ち着いて。冷静に考えてくれ。
評価において求められるものは、基本以上のこと。基本的な業務をこなすことは、あなたに対する期待の「最低限」であってこれらは、特別な評価を受けるための条件ではない。
当たり前の事やって君は偉いぞ!なんてのは運転免許以外にない。というかこれもおかしいと思ってるんだけどさ。聞いてくれる?今日は止まらないね?
自動車保険のゴールド免許割引って表現おかしいと思うんだよ。当たり前のルールを当たり前に守ってれば自動的にそうなるものを「あなたはルールを守って素晴らしい!ゴールド!ゴールドです!割引です!おめでとうございます!」
なんか違うと思う。そんなん言い始めたら僕だってご飯食べるときに手で食べないで箸とか使うし。ゴールドくれよ。超優良ゴールデンチョップスティッカーだよ。ちゃんと持てるし。
あとアレ。まばたきとかもする。目が乾くから。しかも意識してない。身体が勝手にやってる。もう当たり前過ぎて完全に自分のモノにしてる。プロ。ゴールドくれよ。ゴールデンアイだよ。僕自身はブラックアイズ普通のおじさんだけど、かなり優良なマバタカー。
ゴールド凄い!じゃなくて、ゴールドじゃないの恥ずかしい。そういう文化にならないと当たり前を守る人って増えないんじゃないかと思う。
ゴールド免許割引じゃなくて見習い割増と、違反者割増にしたら良い。
「お客様、失礼を承知で伺います。自動車保険の契約にあたってどうしても確認しないといけないことがございまして。はい。そうなんですよ、念の為ってやつです(笑)」
「大丈夫かと思いますが、一応決まりなので、すみません(笑)」
「そんなんいちいち聞くことか?ってお客さんにも言われちゃうんですよね(笑) あんたワシ見て人間か聞いとんのと同じやで?って怒ったお客さんもいました(笑)」
「すみません、決まりなもので聞かないといけないんです(笑)じゃあ一応お伺いしますね、」
「運転免許はゴールドですよね?(笑) すみません、本当こんな当たり前なことわざわざ聞くのも嫌なんですけ…えっ…?」
「青色…?ですか…?」
「えー…あー、なるほど…かしこまりました…そうですよね色々事情もね。はは…すみません。大変失礼しました。それではお客様は違反者ということになりますので、こちらの違反者割増で保険料が高くなりますので…」
「……あの、なんか、明日雪が降るみたいですね。最近寒いですしね……あの、アレですね!大谷のグローブって小学生にちゃんと行き届いたんですかね?結構ニュースでやってましたよね!」
「野球見ないですか…?あっいえ…すみません。いや、何か帽子にNYって書いてあるから普通に見るのかと思って…いえ…すみません何でもないです。すみませんでした。」
やだ過ぎて泣けてくる。絶対ゴールドじゃなきゃって気持ちになるよ。
何の話してたっけ。
当たり前のことは当たり前にやる。それ自体がプラスに転じる評価にはならない。当たり前をやっている状態で個人の成果に対する評価がプラスになることがあるよと。
牛丼トッピングコンテストにエントリーしている選手がネギとか大根おろしとかチーズとかで勝負してるときに、肩で息しながら「ハァ…ハァ…牛丼上手に盛れました…!」は違うじゃん。審査員も困るよ。牛丼上手に盛れなきゃそもそも牛丼自体がイマイチじゃん。普通でも美味しい牛丼、さらに美味しくするにはどうする?の牛丼トッピングコンテストでしょ。牛丼トッピングコンテストって何?
すぐに逸れるのでまた話を元に戻すけど、「当たり前のことを当たり前にやる」これを特別な努力として認識している場合、彼らの評価に対する期待と実際の評価基準との間にギャップが生じてしまう。
そのギャップのエネルギーたるや凄まじく、そうなれば瞬く間にビッグバンが起きて宇宙が始まる。そして宇宙には命が生まれる。まだ生命体にすらならない。その存在は言霊だ。
シッ!静かに!言霊が何か言おうとしているよ!
「…こんなに頑張っているのに」
被評価者の「こんなに頑張っているのに」
評価者の「とても頑張っていましたので」
せめて「こんなに」 と 「とても」 の内訳くらいは出して説明できるようにしておかないとね。もしかしたらそれって当たり前かもよってお話し。
5.成果が出る
4.もう少し(その調子!) ←ここからがプラス評価(の可能性)
3.意識して働いている
2.意識せずに働いている
1.不十分・改善が必要
で、こういうことを、被評価者は急に言われても困るよね。急にってのは今までゆるゆるガバガバ評価だった所からこういう話になるパターン。今までふわふわやってきたのに急に何だってんだ!ってなっちゃう。
だから評価者はもちろん組織全体で、今までのことを振り返りながら社員のケアもしつつ、軌道修正していく必要がある。会社が考える当たり前が共有されていないと話が始まらない。社員に対して、職場での基本的な期待が何で、そしてそれがなぜ「当たり前」なのかを伝えることが、彼らの成長とパフォーマンス向上の為のスタートラインになる。
ああ、なんか色々と自分を振り返るいい機会にもなって良かった。
頑張るって何だ?
こういうことを考えるのも大切なことだ。仕事だけじゃないよな。家庭、プライベートにおいての僕の頑張るとは、何なのだろうか。自分と向き合う。
天気予報では明日は晴れらしい。陽の光は暖かいだろうけど、まだまだ気温は低い。外に出たら冬の冷たい空気を深く吸って頭をリセットしたら、雲ひとつない晴れ渡る空のような青いラインの入った免許証を片手に少し考えてみようかと思う。いつになったらゴールドになるのかを。