ChatGPT編集 宮沢賢治原作 「勲爵士ジョニーの冒険 春 水星少女歌劇団一行」第5話「星葉木の胞子が美女の桃色のノドを襲う」
(勲爵士ジョニーと魔術師見習いのマリアとエミリーは、駅に着きました。急行列車がやってきます。護衛の依頼主の水星少女歌劇団一行と会いますが、スターのギルダのノドを胞子が襲います。)
ベーリング行XZ号の急行列車は、今触媒の白金を噴出し、線路に沿った黄色い草地のカーペットを焼きつけながら黒く煤けて、セニヨリタス山麓駅に、力強く走ってきます。
マリア:「急行列車って大きいのね」
エミリー「草まで焦がすなんてすごい火力ねえ」
ジョニー:「村の軽便鉄道とは違うだろう。あの火力は異常だな。急加速に備えて火力と蒸気圧を限界まで上げているんだろう」
マリア:「急加速って?」
ジョニー:「この先で襲撃が多発してるから、猛スピードで振り切るつもりなんだろうな」
エミリー:「緊張してきたわ」
ジョニー:「そのために俺たちが護衛で乗るんだから笑顔を忘れるな。乗客を安心させるのも仕事のうちさ」
客車から背の高いスーツ姿の青年が降りてきました。
エミリー:「あら、イケメンだわ」
ジョニー:「おお、カトージ!久しぶりだな」
カトージ:「ジョニー!久しぶりなのに仕事で悪いな。ジョニーならうちの娘たちも安心だ」
ジョニー:「ベーリング市長の招待公演か、水星少女歌劇団も大出世だな。
そうそう、この二人は魔術師見習いのマリアとエミリーだ。女の子の護衛だから女性がいいと思って連れてきた。度胸があって腕も確かさ」
カトージ:「マリアさん、エミリーさん、水星少女歌劇団楽長のカトージです。たいへんなお仕事ですみません。よろしくお願いいたします」
マリア:「楽長先生、有名な水星少女歌劇団の護衛をおまかせいただき光栄です」
エミリー:「わあ、わたし娘役スターのギルダちゃんのファンなんです。お仕事とっても楽しみにしてました」
カトージ「それは、こちらこそ光栄です。あとでギルダにもあいさつさせますね。
ああ、ジョニー、あとで男役の娘にも会ってやってくれ。冒険者ジョニーの役作りで悩んでいて…」
そこに、あわてたようすで団員の女の子が走ってきました。
団員1:「すみません!先生、楽長先生!ギルダちゃんがたいへんです。ノドがおかしいって、すぐ来てください!」
カトージ:「なにっ、今すぐ行く。みなさま、すみません失礼します」
団員とカトージは走ってギルダのもとに向かいます。
美しい少女たちが心配そうに集まり、その中心に苦しそうに笑う少女がいます。
団員2:「ギルダちゃん、いつまでそんなに笑うのよ」
ギルダ:「私...やめようとおも...うんだけれど...」
団員3:「水を飲んだらいいんじゃない」
団員4:「誰か背中を叩くといいわ」
団員5:「さっきのドラゴンが何か悪気を吐いたのよ」
団員2:「目が先におかしいの?口が先におかしいの?」
団員3:「そんなこと聞いたって仕方ないわ」
ギルダ:「目じゃないの…ノドが...とっても...くすぐったいの...」
団員4:「まあ大変だわ。あっ良かった楽長先生が来たわ」
カトージ:「どうした。大丈夫かい」
団員5:「ギルダちゃんがとても笑ってひどいんです」
カトージ:「星葉木の胞子かもしれない。ノドをあーんとしてごらん。こっちの方の太陽に向いて」
ギルダ:「あーん」
カトージ:「そうそう、おお桃色のいいノドだ
やっぱりそうだ星葉木の胞子だな
つまり何だ、星葉木の胞子にね
四本の紐があるんだな
それが息の出入りのたび
湿気の加減が変わるんで、
ノドでのびたり、
くるっと巻いたりするんだな」
カトージ:「誰かハンケチを、水でしぼって。あっあっ、そんな飲みかけの水ではだめだ、タンクの飲料水でしぼっておいで」
団員1:「はい」
カトージ:「全部星葉木なんか
もう絶滅しているはずなんだが
どこに一体あるんだろう
なんでも風の上だから
あっちの方には違いないが」
そっちの方には星葉木の形もなくて、
手近に五本巨きな銀ドロの木が
かがやかに日を分け、
わずかに風に揺れながら
枝いっぱいに硫黄の粒を噴いています。
団員1:「先生、ハンケチ」
カトージ「ご苦労、ご苦労。
ではこれを口へあてて
静かに、四、五へん息をして、そうそう
えへんとひとつしてごらん」
ギルダ:「えへん」
カトージ:「もうひとつえへん、そう、どうだい」
ギルダ:「ああ、助かった。先生、どうもありがとう」
団員たち「ギルダちゃん、おめでとう」
団員たち「ギルダちゃん、おめでとう」
(あとがき)
ジョニー、マリア、エミリー、水星少女歌劇団一行の急行列車の旅が始まります。
今回は宮沢賢治原作「春 変奏曲」をもとにしました。原作では楽長は名前がありませんが、モデルと思われる宮沢賢治の親友で花巻女学校のイケメン音楽教師、藤原嘉藤治氏の名前を借りました。
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