ChatGPT編集 宮沢賢治原作「勲爵士ジョニーの冒険 春 水星少女歌劇団一行」第24話「芸術の代償」
まえがき
ジョニーたちは、氷の女王になった市長令嬢を目撃します。
本文
ユリアン・ヤンセン技師長を追いかけて、ジョニーたちは、タービン室に走りました。
ジョニー:「マリア、ヤンセン殿の前方に危険がないか【探知】しろ。私は【防護】を展開する。エミリーは魔力分布を測定しろ。」
マリア、エミリー:「はい!」
エミリー:「うわっ、すごい!」
タービン室には巨大な『氷の女王』がいました。
彼女は、美しく透き通った氷でできた全身を持ち、谷の氷柱を靴に履き、淵の薄氷をマントにまとっています。その胸には輝く金属の心臓のバルブが三つ鼓動しています。
ヤンセンは驚きながら叫びました。
ヤンセン:「お嬢様、心臓を三つも…」
『氷の女王』は誇らしげに言います。
ベリーナ:「三つか四つの心臓くらいなくては、たった百本の脚本も書けないわ」
ヤンセン:「馬鹿な!なんてことを。確率論で脚本を書いても意味はない!同じような作品ばかりで、主人公を変えても誰も気づかないような作品に何の魅力があるんですか!」
『氷の女王』から氷の破片がパラパラと落ちて音を立てます。
ベリーナ:「ユリアン、珍しく言うじゃないの。悪魔はね教えてくれたの。『数こそ力』ってね。質より量、文学的価値より『しちょうしゃすう』と『いいね』がすべて、この世の真理なんですって」
ジョニー:「(小声で)刺激しては、まずい」
エミリー:「(小声で)私にまかせて。芸術にはくわしいのよ」
エミリー:「ベリーナさん、わたしはジョニーの助手のエミリー。あなたの作品読みました。とても面白かったわ。どれも似たようなハッピーエンドで、登場人物もどれも同じで覚えやすくて、山場も、オチも、こむずかしい意味もなくて、とても安心して読めました!」
ベリーナ:「エミリーさん、あなたの批評はいらないわ」
さらにパラパラと氷の破片が降り注ぎました。
エミリー:「うわっ、逆効果だわっ」
ベリーナ:「この発電所の電気を独占して、たくさんの脚本を書くわ!私のお父様が建ててくれたこの発電所を、私のユリアンが運転して私の電気をつくるの。すべては私のもの!世界中のオペラハウスや活動写真館が、私の脚本で埋め尽くされるまで、書き続けるわ!」
ヤンセン:「なにがいったい脚本です!あなたのむら気な教養と、愚にもつかない虚名のために、そこらの野原のこどもらが、小さな赤いタイツや、手袋すらもたずにいるこどもらが、停電に怯え、寒さに震えているのです。農家のご主人が、停電で暗い夜道を重い肥料を背負って歩いているのです。たくさんの父親や母親が、溜息しながら夕方に、行ったり来たりするのです。そういった犠牲に値する巨匠はいったい何者ですか。そういった犠牲に対立し得る作品こそはどれなのですか」
さらに、多くの氷の破片が降ってきます。
ヤンセン:「ベリーナ!確率論で脚本を書いても平均的な作品ができるだけで意味はない!あなたはこのベーリングの大地と、ここで生きる人々の生きざまを、自分自身の手で描くべきです!あなたも私もベーリング市民に支えられて生きているんです」
ベリーナは、混乱しながらも弱々しく反論します。
ベリーナ:「ユリアンが私をベリーナと呼んでくれるのはとてもうれしいわ。でも、な、何を言っているの…確率論の脚本は量産できると思ったけど…でも、でもそれは…」
ヤンセン:「恋愛物語を書きたいなら、大衆にウケたいなら、あなたと私の大恋愛をふたりで描きましょう!今、王都では私小説が大流行です。貧乏小作人の息子から大学を首席で出て発電所技師長になり上がった男と、誰もが振り返る美貌の人気女流作家上流令嬢との大恋愛!貧困層にも富裕層にもウケるはずです!
そしてクライマックスは、ヒロインが氷の女王に変身して、発電所での大結婚式だ!ベリーナ、市民みんなが祝福してくれるような結婚式を、愛の物語を、ふたりで描いていきましょう!」
ベリーナ:「ああ、ユリアン。恥ずかしいわ…」
『氷の女王』が少し前に傾いたように見えました。
ジョニー:「(小声で)マリア、あの『氷の女王』はモンスターでも改造人間でもないな」
マリア:「(小声で)ええ、ただの氷と塩化カルシウム水溶液しか感知できないわ」
エミリー:「(小声で)ベリーナさんの生体反応も感知できないわ。氷がジャマなのかもしれないけど」
ジョニー:「(小声で)さらに別室に監禁されているのか。それともあの膨大な氷の向こうに閉じ込められているのか。冷却液を循環して氷の彫像を維持しているようだが、冷凍機の出力が不足だな」
さらに天井からはバラバラと氷の破片が降り注ぎます。
ジョニー:「【防護】魔法展開!」
あとがき
ジョニーたちを襲う氷の破片。
ユリアン・ヤンセン技師長は、婚約者ベリーナ・ベーリング市長令嬢に呼びかけます。彼の真情は彼女に届くのでしょうか。
まあ、ヤンセンさんのいうこともわかりますが、ChatGPTの便利さを知ってしまうと戻れませんね(苦笑)
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