ケニアでの豪雨による洪水被害について(続報)
こんにちは🙂イガラシゴーです🐧
アフリカ・ケニアで、2024年3月から6月に降った豪雨によって起こった洪水被害への対応について、続報をお届けします。
ケニアでの豪雨による洪水被害について
ケニア政府の災害対応機関であるNational Disaster Operation Centre (NDOC)によると、2024年3月から6月までの間に豪雨によってもたらされた洪水により315名が命を落とし、29万人以上が避難を余儀なくされました。
CWSのケニア事務所が支援活動を続けるタナ・リバー郡は、ケニア最長河川であるタナ川の下流域にあたり、急な増水により河川が氾濫したため、大きな被害が発生し最も深刻な影響を受けた地域の一つとなりました。同郡内には今もなお19カ所の避難所があり、2,365世帯以上が避難生活を続けています。避難生活を続ける人や、自宅に戻った人びとの生活環境は依然厳しく、特に食料の確保が最優先の課題として挙げられています。
そのほかにも生活必需品の確保、保健医療、衛生環境、感染症対策、道路や河岸、農業設備の復旧や改修、教育や防犯などの多くの分野での支援が横断的に必要となっています。加えて、水害によってトラウマを抱えた人に対する心理的サポートの支援も必要とされています。
CWS ケニア事務所による緊急支援を実施
こうした状況を受けて、CWSのケニア事務所はこれまでタナ・リバー郡の被災した610世帯に対して、1ヶ月分相当の主食(トウモロコシ粉や食用油、塩など)および、農業の復旧のための種子を提供しました。
発災当初からCWS JapanもCWSケニアの活動を側面支援しています。
今後に向けて
タナ・リバー郡では干ばつと豪雨が周期的に繰り返し発生し、災害に対して脆弱な地域でもあります。中長期的な復興に向けた、現金給付を含む多様なニーズへの対応に加え、地域住民、ケニア政府やほかの支援機関などと連携した防災への取り組みの必要性が非常に高くなっています。
CWS Japanとしても、日本やアジア各国で実施した防災事業の知見や経験を活かし、CWSケニア事務所と連携した取り組みができないか模索しています。具体的には、今回の被災シナリオを精査した上で、当該地域が今後同じような被災をしないためには何かできるのか、さまざまな防災・減災施策を検討していきます。
気候変動の影響によって、降雨シナリオが大きく変わり、干ばつや豪雨災害を繰り返すこの地域において、護岸や水路など地域レベルで対応可能なインフラ整備や、平時における水資源の有効活用や水害時の対応計画の整備・見直しなどの選択肢の中から、地域が主体的に実行でき、維持管理できる手段や手法を選択して実践することが重要だと考えます。
アフリカでは伝統的に洪水灌漑を進めてきている地域もあり、現地の伝統的な知見も活かしながら日本の専門家も交え、検討を進めてまいります。
(文:プログラム・マネージャー 五十嵐豪)
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