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アフガニスタン帰還民支援|人々の命を繋ぐ

こんにちは🙂イガラシゴーです🐧
アフガニスタン帰還民(アフガニスタンに帰還したアフガニスタン人の難民)に対する支援について、現地の声も交えて報告します。


難民でいられなくなった帰還民たち

長年にわたる戦争や政情不安のため、多くのアフガニスタン人が難民として国外に逃れています。その数は、最新の統計では260万人に上ると言われています。そのうち220万人は隣国であるパキスタンとイランに逃れています。しかし、最大のアフガニスタン難民受入国の一つであるパキスタンも、国内情勢が近年複雑になってきており、特に2023年9月以降、難民に対する対応が厳しくなってきました。こうした事情からパキスタンから多くのアフガニスタン難民が帰還しています。この人数は2023年9月〜2024年11月の間で、76万人を超えました。こうして帰還した多くの人たちは、状況が改善したから祖国に帰還できたのではなく、難民としての状況が厳しくなったので、帰還せざるをえなかった人たちです。帰還先に安定した生活基盤があるわけでもなく、政情不安が続くアフガニスタンでは十分な社会的サポートも期待できません。こうした状況を受けてCWS Japanは帰還民に対する支援を2024年3月より開始しました。

▼支援開始時の報告と支援内容に関する記事はこちら

帰還した祖国で直面する課題

パルミナさんは、14人の家族と共に2024年2月にパキスタンからアフガニスタンに帰還しました。家族の年齢は2歳から71歳までいます。現在のアフガニスタンでは、政治的背景から女性が家庭の外に出て就労することが難しく、家族の中で就労可能な年齢の男性は2人の息子のみとなっています。しかし、経済的混乱が続くアフガニスタンでは、その2人の息子も仕事を見つけることは難しく、なかなか現金収入を得ることができません。また、高齢の夫は胃がんを患っており、働くことができないだけでなく、十分な医療ケアを受けることもできませんでした。
パルミナさん一家は、CWS Japanとその現地パートナーによる支援を受け、祖国アフガニスタンでの生活再建に向けた一歩を踏み出そうとしています。

パルミナさん(写真最左)とその家族。©️CWSA

命を繋ぐ支援

CWS Japanは2024年4月〜6月の間、パキスタンとの国境に接し帰還民が最も多いナンガルハル県で、帰還民150世帯(1,110人)に対して、1世帯あたり3回の現金給付を行いました。

現金給付に並ぶ人々。きちんと支援が届くように確認している。©️CWSA

CWS Japanの支援により、命を繋ぐための食料を購入することができただけでなく、パルミナさん一家のように医療費をはじめ生きていくために欠かせない費用の経済的負担も軽減することができました。この度の支援は皆さまからの温かいご支援に加え、ジャパン・プラットフォームの助成金によって支えられています。

支援を受け取ったサブザリさん一家の食事の様子。©️CWSA
保存できる小麦粉を購入して、主食のパンを都度作ります。©️CWSA
料理するには調理器具も必要です。受け取った現金はこうした必需品の購入にも使われます。©️CWSA

アフガニスタンの人々に寄り添います

アフガニスタンの人々を取り巻く環境はまだまだ厳しい状況にあります。帰還民だけでなく、難民や国内避難民、そして強制移動をしていない一般の住民でさえも、多くの人が人道支援を必要としている状況です。CWS Japanは今後も現地の状況の変化を注視し、現地の人々に寄り添い、共に息の長い支援を続けていきます。

引き続きみなさまからの温かいご支援をお願いいたします。
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※CWS Japanに対する寄付は税控除の対象になります

(文:プログラム・マネージャー 五十嵐豪)


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