最終面接で確認する、3つのフィット
前回の記事が思った以上に好評で、たくさんコメントもらえて嬉しいです!頑張って継続していければと思います。
さて、Chatworkでは過去最大の投資フェーズということで、2021年度では約+100人近くのスタッフ増となりました。
とにかくたくさんの新スタッフを迎えることになったのですが、もちろんその数以上にたくさんの面接をした年でもありました。
CTO時代から含めるともう数え切れない回数の面接をしていますが、自分が最終面接でどのような点を見ているかを、今回は言語化してみようと思います。
私は最終面接において、下記3つのフィットが問題ないかで採用の判断をしています。
カルチャーフィット
スキルフィット
キャリアフィット
それぞれ、どのような観点かを説明していきます。
カルチャーフィット
ここでは、会社のバリューと本人の価値観との間に大きなズレがないかを判断します。
バリューがズレていると起きる問題を、私はよく大学の「サークル」と「部活」の違いで説明することが多いです。
例えば、同じテニスというスポーツでも、ワイワイ楽しんでプレイするテニスサークルと、ガチでハードな練習をするテニス部があることが多いと思います。(※一般的に)
ガチでやりたい人がサークルに入ったらストレスが溜まるでしょうし、楽しみたいだけの人が部活に入ったら、キツすぎてすぐに辞めてしまうことになるでしょう。
それぞれの人の価値観が間違ってるわけではなく、あくまで所属する組織で重視している価値観とのギャップにより、不幸が生まれることになります。
Chatworkでは、バリューとして
遊び心を忘れず、チャレンジを楽しもう
速く学び、変わり続けよう
チーム、顧客、社会に対して誠実に
の3つを定義しています。
これらの観点から、創意工夫・チャレンジ精神・スピード・変化対応・誠実さ・責任感、などを持っているか、適応できそうかを、会話の中で確認しています。
また、Chatworkでは部署やポジションによりますが、面接プロセスの中でワークサンプル(体験入社)を実施しており、同じ部署で働くメンバーの所感などを申し送りからチェックして、気になる部分を最終面接時に確認するようにしています。
スキルフィット
ここでは、求めているポジションにおいて必要なパフォーマンスを発揮できるか、または現実的な時間軸でそのポテンシャルを発揮できる素地があるかを判断します。
スキルフィットにおいては、現有スキルと成長ポテンシャルの2軸を確認することが必要です。
現有スキルで大切なポイントは、環境が変わった場合でも持ち出せる、再現性の高いスキルは何かを確認することです。会社のブランドやアセットがなくてもできることか、プロジェクトの中での役割は具体的に何か、などを確認します。
また、自分自身の経験でもそう思いますが、過去やったことがある仕事は、もう一度やった時によりうまくやれる可能性が高いものです。求めているポジションの想定される業務に対し、同じようなことを過去やったことがあれば、結果を出してもらえる確度は大きく上がってくると思います。
Chatworkでは、最終面接の前にマネージャーから事前共有ミーティングをセットしてもらい、採用するポジションの期待要件、候補者の方の経歴や所感などを事前に確認しています。その上で、気になるところを自分自身で深堀りするようにしています。
そして、成長ポテンシャルに対しての確認はどうするか。特に、新卒採用では職歴がなく、ほぼ成長ポテンシャルのみでスキルフィットを確認する必要があります。
その場合に見るのは、
地頭
素直さ
行動量
の3つです。
地頭は、思考の速さと深さ。質問者の意図を汲んだシャープな答えが返せるか、またそこから「なぜ」を深ぼった本質的な思考をどのレベルまでしているかを見ています。
素直さは、人のフィードバックを謙虚にまっすぐ受け止められるか。自意識が過剰になってしまっていたり、コンプレックスが強くネガティブになりすぎている場合、成長の阻害要因となってしまいます。
行動量は、口だけでなくどれだけ実際に行動に移しているか。なんでもいいので、没頭して打ち込んだ活動があるか、それに対して十分な熱量を持って語れるかを見ます。
成長ポテンシャルは、この3つに時間をかけた、
成長ポテンシャル = 地頭 × 素直さ × 行動量 × 時間
という式で測れるものだと思っています。
このような視点で現有スキルと成長ポテンシャルを確認し、求めるポジションの期待要件と希望給与のバランスを見て、フィットするかの確認を行います。
キャリアフィット
ここでは、3年以上の中長期において、個人が歩みたいキャリアパスと会社が用意できるキャリアパスがマッチするかを見ます。
とにかく、キャリアにおける意思決定の経緯の確認をしっかり丁寧に行います。
大学の学部選びから、新卒でなぜその会社に入ったのか、転職を決意した経緯、次の転職軸とその会社を選んだ理由。それらから、キャリアの広げ方、深め方、そこに至る個人の原体験や価値観、環境に求めるMustとWantなどを確認していきます。
私は、会社は「乗り合い船」のようなものだと考えています。
会社という船は、それぞれの船が持つミッションという航路をもとに、いくつかの港を経由しながら目的地に向かって進んでいます。そして、そこに乗る人それぞれにも、個人のミッションを元にした目的地があり、必要に応じて船を乗り換えていくものだと思っています。
経歴やキャリアチェンジの意思決定の流れを聞いていくことで、その方の目的地を想像し、Chatworkという船の行き先と用意できるポジションが、中長期の時間軸でその方の乗るべき船としてフィットするかを確認しています。
Chatworkであれば、事業を通して1人でも多くの人が「働くをもっと楽しく、創造的に」なることをミッションとして掲げています。
また、そのための1つ目の登るべき山として「中小企業No.1ビジネスチャット」を目指し、中小企業のDXを進め生産性を劇的に向上させることで、日本の社会課題解決に大きなインパクトを出すことに、最大限の投資スピードをかけ全力で挑戦しています。
最後に
面接というと、給与に見合う高い能力があるかを確認する”テスト”であると思いがちです。
ですが、面接をする側の企業も候補者の方から選ばれているのであり、本来対等の立場であると思います。
なので、面接の場ですべきことはテストではなく、お互いがフィットするかの確認であるべきだと思うのです。
私は、面接の場で「志望動機は何ですか?」と聞くことはありません。あくまでも、「今回の、会社選びの軸は何ですか?」と聞きます。IQテストのような質問や、哲学的な問いを投げかけることもありません。
リラックスした素を出せる心理的安全な場をつくって、お互いのフィットを誠実に確認していくのが、良い面接なのだと思っています。
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