ネットの向こう側をイメージすることの難しさ
あたたかさはオンラインで再現できるのか
こんにちは。
ワーカーエクスペリエンスチームの眞道です。
本日は「ネットの向こう側をイメージする難しさ」というテーマについて考えていきたいと思います。
インターネットの普及によって、これまでできなかった様々な「モノ」や「人」のマッチングができる世界になりました。
いらなくなった「モノ」も、インターネットによってそのモノを必要としている「人」とマッチングすることができる世界。
今まで出会うことができなかった「人」と「人」がインターネットによってマッチングできる世界。
私たちクラウドワークスも、仕事を依頼したい「人」と仕事を請けたい「人」がインターネット上で繋がることができる、仕事のマッチングサービス(クラウドソーシング)を運営しています。
クラウドソーシングは
「場所や時間にとらわれず仕事のマッチングができる」
「これまで出会えなかった、仕事・人とマッチングできる」
といったメリットがある一方、インターネット上でのやり取りになるため、
・相手の表情が見えにくい
・背景や目的が伝わりづらい
といったデメリットもあります。
結果、どうしても業務のやり取りが冷たくなってしまいがちです。
やり取りが冷たくなってしまうと、なんだかお互いギクシャクしてしまって、結果的にクオリティにまで影響を与えてしまうことも。
クラウドソーシングは便利だけど、どこか冷たい。
その結果、なんだかやり取りがうまくいかない。
ちょっとしたボタンの掛け違いからそんな負の連鎖が起きてしまいます。
インターネットを通じて「人」と「人」がつながることができる時代だからこそ、最大限活用し、双方に良い影響が与えられるあたたかさのあるやり取りをするための一歩を考えたいと思います。
クラウドワーカー100人を個別支援して改めてわかったこと
私たちワーカーエクスペリエンスチームは「クラウドコーチプログラム」というサービスを運営しており、これまで延べ100人のクラウドワーカーさんを個別支援してきました。
※クラウドコーチプログラムとは
クラウドワークスの活用経験が豊富なコーチが、チャットを通してクラウドワーキングを2週間サポートするサービス。プログラム期間内は1人1人に専属コーチがつき、一人ひとりのライフスタイルに合わせ、チャットサポートをしています。
この個別支援を通して改めて感じたのは、
「ネットの向こう側をイメージすることができていない」ということです。
これは受注側・発注側双方に言えることです。
相手がどんな人がイメージすることができていない結果、仕事への取り組みにまで影響を与えていました。
例えば、ワーカーさんに
「クライアントさんについてのイメージや分かっていることを挙げてください」と質問したら、こんな答えが返ってくるかもしれません。
・法人のクライアント?
・〇〇についてやっているらしい
・過去の実績はいくつかある
・評価は高い
これを絵で表現したら。
こんな感じでしょう(笑)
ですがこれでは、ワーカーさんは仕事が発注されている背景や理由、何を目的にこの仕事をするのかがイメージできません。(目的意識のないただの“作業”になってしまいます。)
これではクオリティもモチベーションも下がってしまうのは必然ですね。
では、どうすればお互いをきちんと認識し、安心してやり取りを行うことができるのでしょうか。
棒人間にふきだしを付け加える
契約を結んだからといって、いきなり親密にコミュニケーションを取れるかといえば、そうではありません。
まずはやりとりをする上で、想像力を働かせて、相手の立場に立ってみること。
ごくごく当たり前のことですが、オンライン上でのやり取りになった瞬間、ここが疎かになってしまうことは少なくありません。
上の棒人間の絵で言えば、ふきだしを付け足したり、描写まで付け足せるようにちょっと気にかけて見ることが第一歩になると考えています。
例えば、こんなところからも考えてみてはどうでしょう。
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【クライアント→ワーカー】
Q:もしワーカーさんが副業で仕事をしていたとしたら、どのようなタイムスケジュールを送っている可能性が高いだろうか。
A:「平日夜にまとまった副業の時間を確保しているかもしれない・・それを見越して業務マネジメントの設計をしてみよう。夜回答してもらって、朝返答が当たり前になれば、お互いのギクシャクは生まれないかもしれないな。」
Q:もしワーカーさんが子育てをしながら仕事をしていたとしたら、どのようなタイミングでパソコンに向き合っているのだろうか。
A:「子供が寝ている昼の時間、夜の時間かもしれない・・なんで連絡来ないんだよ。って簡単に決めつけずに少し待ってみよう。」
とちょっと想像してみたり。
【ワーカー→クライアント】
Q:もしクライアントの担当者さんが日中外回り続きだったとしたら、どのようなことが想像できるだろうか。
A:「即レスは難しいかもしれない・・なんで連絡来ないんだよ。早く確認してくれよ。って簡単に決めつけずにもう少し待ってみよう。」
Q:個人のクライアントだったとしたら、どうだろうか。
A:「1人で複数のワーカーさん、場合によっては多くのワーカーさんの対応をしているかもしれない。」
と考えてみたり。
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ここでいう、Qの部分が相手の立場を想像しようとする”意識”ですね。
ほんの少しでも気遣う姿勢を意識すれば、想像力が働く。
想像力が働けば、それに伴って一つひとつのコミュ二ケーションが変わる。
そうした相手への気遣い、想像力の積み重ねが、オンラインのやり取りであってもあたたかさを生んでいくのではないでしょうか。
クライアントとワーカーの余白を埋めていきたい
とは言いつつも、ただの棒人間に吹き出しを付け加え、具体的な”誰か“にするのは難しいことです。
社内のメンバーに相談するかのように、商店街の電気屋さんに相談するかのように、クラウドソーシングでも相手を思いながら、少しでも「思いを込めた」コミュ二ケーションが当たり前にできる社会になると良いですね。
そのためにも、私たちワーカーエクスペリエンスチームは、少しでもネットの向こう側をイメージしやすくなるように、クライアントとワーカーの間にある余白を埋めていけるような活動ができていけたらと考えています。
この記事を読んでくれているあなたも、今一度、この画面の向こうにいる”誰か“を想像してみてはいかがでしょうか。
--追記--
▼クラウドワークスでの発注について書いてくださっています。
ぜひこちらもご覧ください。