グリーンカード(永住権)を取得した日
Form I-485が承認されるまで
Form I-485を提出してから約1ヶ月が経過した2021年5月5日、USCIS(アメリカ移民局)から家族分の封書が届きました。え!もう!?とちょっと期待しましたが、手続きのスピードを上げるためにミズーリからテキサスのセンターでの審査に変わりますとの通知。スピードが上がるなら大歓迎!とその当時は喜びましたが、今現在も家族の審査が終わってないことを考えると本当にスピードアップしているのかどうかは謎です。
そして次の動きがあったのは5月27日。ASC appointment noticeというのがUSCISより届きました。Biometricsの予約の通知です。いわゆる指紋認証を取りに行く予約ですね。6月7日に近所の移民局のセンターに指紋登録に行って下さいという通知でした。ここでまたプチトラブル。長女の通知だけ届いていませんでした。移民弁護士に相談すると、USCISに連絡して書類の再発行を依頼するか、あとは指紋認証センターに突撃訪問するかどちらかしかない、という何とも言えないアドバイスをもらいました笑
変に問い合わせをして長女の通知が届くのを待って6月7日の指紋認証の日付けが変更されるのも困るので、何とかなるでしょうと当日指紋認証センターで交渉することにしました。結果からいくと何の問題もなく家族全員分の指紋を登録することができました。良くも悪くも「いろんなことがちゃんとしていない国アメリカ」を再認識したイベントでした。いよいよゴール間近か?と期待しましたがここから次の動きがでるまでにまた1年近い時間が過ぎるんですよね・・・
Form I-140審査期間についての質問状
ここで余談になりますが自分の永住権の審査のスピードが予定している期間より長くかかっている場合はUSCISに質問状を提出することができます。
上記の表にあるように、私はEB-1Bというカテゴリーで申請しているので、Form I-140の審査にかかる期間は上から2段目のOutstanding professor or researcherとなります。それだと審査予定期間は2週間から7.5ヶ月となり、ウェブサイトをチェックした日付けでいうと2020年12月14日までに受け付けが終わった人は質問状を送れることになっています。そこで私は2021年7月21日にUSCISに質問状を提出し、たまたまかもしれませんがその6日後の7月27日に承認したとの通知が届きました。ちなみにプロセシングタイムが確認できるUSCISのウェブサイトのリンクは下記になります。
https://egov.uscis.gov/processing-times/
EAD(就労許可証)とAdvance Parole(渡航許可証)とSSN(ソーシャル・セキュリティーナンバー)
それから月日が流れて2021年11月16日。Form I-485を提出して約7ヶ月が過ぎたときになります。USCISから2通の手紙。妻と長女宛に就労許可証と渡航許可証が届きました。永住権申請が多い中国やインドなどはカテゴリーによってはこのI-485が承認されるまで5-10年待つと聞いていますが、その間働けないと困るので承認前にEAD(Employment Authorization Documents)と呼ばれる就労許可証とAdvance paroleと呼ばれる一時渡航許可証が発行されます(I-485審査中はアメリカ国外に出ることができず、国外に出た場合は審査がキャンセルされると言われています)。そして遅れること約1ヶ月、12月8日に残りの子供たちの分も到着しました。これのいいところ(?)は未成年であっても就労許可証が発行されるので、これに紐付けされてソーシャル・セキュリティーナンバー(SSN)が子供たちにも発行されたことでした。ちなみに私のが届いたのはさらに遅れること2週間、12月21日でした。
EAD(就労許可証)があると副業はできるのか?
余談になりますが、EADが手に入ると就労が禁止されていたH1Bビザの配偶者であるH4ビザホルダーの人たちも働くことが可能になります。うちの場合、妻や長女はこれによってパートタイムの仕事を始めることができるようになりました。じゃH1Bの私は働けるのか?これは就業先によって変わる可能性はありますが、H1Bはそこに記載された仕事以外はできないと規定されているため、私の場合は最終的に永住権が認められるまでは副業はできないと言われました。
審査センターの変更と健康診断 Form I-693
EADを取得して約4ヶ月の2022年4月22日。何故か私の審査書類だけまたミズーリ州に移動になりました(最初に審査が行われていたセンター)。すると5月17日に追加の書類を提出して下さいとUSCISから手紙が。内容はForm I-693の提出、つまり健康診断結果とワクチン接種歴の提出です。すぐにUSCIS指定の医療機関に連絡し、すぐに診察してくれて割安な価格で対応してくれる医療機関を探しました。費用はかなりばらつきがあり、聞いた範囲では$300-800くらいの幅がありました。私が受けたのは採血と尿検査、そして必要なワクチン。診察は問診と心音・呼吸音の聴診くらいでした。ワクチンについては記録が昔の日本語の母子手帳くらいしかもってなく、「全部受け直しだね」と言われて近くの薬局でMMR(はしか・おたふく・風疹)とTdap(百日せき・ジフテリア・破傷風)のワクチン接種をしてきました。担当医(Civil Surgeonと呼ばれる医師)に封をされた必要書類をもらって、さっそく郵便局へ直行し速達でUSCISに郵送しました。6月10日に書類がむうこうに届いて6月15日にはUSCISがグリーンカードの発行オーダーをかけてくれたようです。そして翌日16日にI-485が承認され、17日にカードが発送、22日に無事に受け取れました!ということでI-485を提出してからカードを受け取るまでは約1年2ヶ月くらいかかりました。
最初から最後までは約1年半の道のり・・・
というわけで最初のステップであるForm I-140の提出ができたのは2020年12月3日、グリーンカードが手元に来たのが2022年6月22日になるので、全部合わせると約1年半となります。もしForm I-140の審査結果が出るのを待っていたら2年くらいになっている計算です。
基本的にForm I-140を提出するときにPremium processingを使うことと、Form I-140と並行してForm I-485を提出する以外は審査スピードを速くするような裏技はなさそうなので、あとはどのセンターで審査されるかという運の要素が大きい印象があります。あと私がしていたこととしては、USCISのアカウントを作成し、my USCISというページで自分の審査状況を定期的にチェックしていたことくらいです。これをチェックしていると郵便物が届く前に何が届くのか分かったりしてちょっとだけ便利でした。
グリーンカードを取得して思うこと
お金がそこそこかかること、書類の準備が大変なこと、そして時間がかかること。この3つがなかなか肉体的、精神的に堪えはしますが、長期間アメリカに滞在を検討している人にとっては申請する価値は十分にあるものだと考えます。書類作成で一番大変なのは推薦状(recommendation letter)を一定数そろえるところなので、それをクリアできるとあとはそこまで大変じゃないと思っています。そしてどのカテゴリーが一番勝率が高そうかも移民弁護士の方が助言してくれると思うので、まずは無料見積もりをしてくれる移民弁護士に連絡をとってみて、そもそも永住権申請ができる状態なのかどうかを確認してみて下さい。この一連のグログ記事が永住権申請を検討している人に少しでも役立つことを祈っています。