cvpaper.challengeでの研究とそのTips,メンバー紹介などなど

研究コミュニティ cvpaper.challenge ~CV分野の今を映し,トレンドを創り出す~ Advent Calendar 2022 7日目

こんにちは.今年もcvpaper.chellengeのアドベントカレンダーを執筆することになりました中村凌といいます.
今回は,cvpaper.challengeの研究メンバーが,どんなことを考えて研究をしていて,どんなスタイルで進めているのか,研究コミュニティにはどのような方が所属していて,どのように運営されているのか?効率化のためのTipsなどについて紹介したいと思います.

私は,cvpaper.challengeのメインメンバーの中で,レアな九州メンバーなので,地元である九州の人に届いてくれると嬉しいです.研究メンバーとして興味がある方は,cvpaper.challengeの方に参加依頼メールを送って,もらえると嬉しいです.(リンクは,この記事の一番下に添付しておきます.)

自己紹介

福岡大学大学院,理学部,応用数学研究科 博士課程2年の学生として研究活動をしています.

博士課程1年の時に片岡さんからお誘いがあって,産総研のRAを務めています.
その他には,株式会社天地人で,衛星画像や気象データを使って,データ解析や機械学習を使った予測を行っています.(直近では,天地人コンパスの類似度分析機能の開発を行いました.)
cvpaper.challengeでは,HQを務めてまして,cvpaper.challenge conferenceというシンポジウムの開催や研究の効率化のTipsの取りまとめを行っております.
こんな風に,大学の先生や,産総研の職員,天地人の方々やcvpaper.challenge,他大学の先生にお世話になりながら,博士学生を頑張っています.

どんなことを考えて研究をしているのか?スタイルは?

自分がどんなことを考えて研究しているかを考えた時に,1つシンプルな答えがあるというよりは,複数の事を考えながら研究を行っていると思います.
大きな分類としては,「自分の中で研究イメージがより良くなるため」と「他者と連携して研究を効果的に進めるため」の2つがあります.

自分の中で研究イメージがより良くなるための考え

思い当たることを上から書いてみると

  • 「研究のインパクト・その手順」これができたら(わかったら)将来的に応用できる場所が多かったり,分野の考え方が変わりそう.その為には,どんな手順を踏んで確認すると良いだろう(←このタイミングでサーベイだとか,周囲の人とディスカッションを挟む)

  • 「研究の手順」を論文化するために,どういう過程が大事なのかあたりじゃないかなと思います

私は,何か大きな功績を残したわけではないのです,上記の内容は,意見として書いておきます.研究のインパクトは,提案された技術やアイディアが分野を超えて汎用的に用いられそうな度合い.だと私は思っていて,深層学習に関わっている分野では,そのアイディアが古くならない内に世の中に出さなければいけないと思うので,「自分で動いていくフェーズ」と「動いたことについてアドバイスをいただく,そのアドバイズから学ぶ」とても大事だと思っています.

私の意見以外にも,cvpaper.challengeでは,研究をより良くするため(トレンドを創出するため)の導入で使用する資料があるので,この記事でそのリンクを紹介しておきます.

論文執筆シーズンになると共有される資料

図の作成で困っていたときに片岡さんに教えてもらった資料

他者と連携して研究を効果的に進めるための考え

cvpaper.challengeは研究コミュニティなので,他の研究者とうまく連携できる人が,短い時間で論文化するところまで事が運ぶケースが多いです.特に学生となると,アドバイザーレベルの人たちの密なマネージが重要だと思います.(これは,大学の研究室でも同じなんじゃないでしょうか??)

・日々の実験の結果を研究ノートにまとめる
・結果が分かったら,アドバイザに定期的に結果を共有する

研究ノートの書き方については,別分野のまとめ方ですが,
こちらのリンクにいくつか例があり,参考になるので,共有しておきます.
この記事では,ノートの媒体には,キャンパスノートがおすすめとありますが,
私は,オンラインでの共有が行いやすいGoogle slideを使用しています.
日々の実験結果を,このGoogle slideに,行った実験のまとめたスライドとその詳細の文章を,共著者に一目で行った実験をわかるようにしておくことが,コメントを貰いやすくする上で大事なポイントだと考えています.
その他にも,実験ノートは,研究の紹介をする際に,そのまま使える場合が多いので,作成しとくと急な研究紹介をお願いされた倍に対応できるので,おすすめです.

研究コミュニティにはどんな人が所属しているのか?

cvpaper.challengeに加入して3年目になり,コミュニティの感じや良さから課題が見えてくるようになりました.
研究メンバーは,最近凄い勢いで,アドバイザーやメンバーが増えていて,分野のバリエーションもどんどん増えています.最近では,農学部の篠田さんや,医学部の田所君,山下さん.大学2年でイラストが上手な大西君,現役高校生の志田君.

CCCS2022で最新トレンド速報をおこなった大西君と田所君の自己紹介スライド

その他にも,横田理央先生とその学生さん,井上中順先生とその学生さんなどなど,研究室で参加しているところもあります.
こんな感じに研究メンバーが増えている一方で,HQメンバーも増えていて,今はResearchPortさんの協力を得ながら,CCCやCVPR/ECCV/ICCV網羅的サーベイなどのイベントを実施することができています.(CCCW2022もResearchPortさんにご協力いただいております.)

cvpaper.challengeがどのように運営されているのか?

研究コミュニティでの運営

研究グループでは,以下の枠組みで組織が構成されております.


私はこの中で,Head Quota(HQ)のポジションにつかせていただいていて,HQでは,主にcv分野のトレンドを創出するためにはどうしたら良いか?創出するためにはcvpaper.challengeがどうあるべきかについて議論し,その体制を作っていく役割をになっています.(その他にも,アドバイザーが属しているMentorや,CCC/学会シミュレーションの部門,System Admin,網羅的サーベイをまとめているSurvey部門と各グループがあります.)
直近の仕事といえば,cvpaper.challenge conference 2021 Program chair,
cvpaper.challenge conference winter 2021 General chair,cvpaper.challenge conference summer 2022 Program chairを担当しました.

その他にも研究効率化Tips / メタサーベイの資料の公開や去年はcvpaper.challengeの研究メンバーが増えてくれるよう願って今回のようなadvent calendar(研究成果を世に送り出すまでのストーリー)も実施しました.


これらの取り組みもあり,CCCは登録者900名を超える規模(学会規模)になっているだけでなく,研究メンバーもどんどん人数が増えております.私が所属しているFDDBグループの進捗報告会に使用されるslackの人数は21人(2021年)から47人(2022年)に増加していました.(研究メンバーは69→106名に増加しておりました.)

2021年FDDBグループの進捗会slackの人数
2022年FDDBグループの進捗会slackの人数

特に,CCCの規模が学会規模になっていることもあってか,CV分野では歴史のある2023年はMIRUとコラボをすることが決定しました.

その他にも,技術的な報告として,網羅的サーベイ(CVPR2022ECCV2022)の実施やグループ内の網羅的サーベイで研究まとめをslide shareにて共有したりと,多様な活動を通して,CV分野のトレンド創出と研究コミュニティを拡大に取り組んでいます.

研究グループでの運営

Formula drive data base(FDDB) グループの運営も同様にHQのポジションに就かせていただいています.仕事の内容としては,コミュニティから研究成果が生まれるため,CV分野のトレンド創出をするために研究グループを同運営すると良いか?について議論し,実践をおこなっております.具体的には,週1回の進捗報告会(FDDB Hacks)と論文の読み会・コードの実装会(実装チュートリアル)をおこなっております.

FDDBグループの体制とチームビルディングに対する話やグループ内の取り組みについては,同僚の山田君がまとめているのでこちらをご参照ください.(山田君の説明の方がFDDBグループについて詳しく書かれています.)

最近のHacksの悩みとしては,cvpaper.challengeが大きくなり,人数が増えることで,進捗の共有で時間が足りなくなってしまい,深い議論に進むことができないという課題を抱えていることです.
現在,良い議論体制を模索中ですが,目的に応じて色々な方策を試し,良い体制になるよう努めています.こういった組織運営に詳しい方にアドバイスをいただけると大変嬉しいのですが,なかなか難しいです..

cvpaper.challenge運営まとめ

こんな感じで,私のポジションとしては,cvpaperのイベント運営や,コミュニティとして研究成果を出していく為には,どんな要素が必要かを運営メンバーで議論し,実行する事で,参加してくれたメンバーに少しでも良い状況を作ってあげられるように努めています.研究メンバーが増えたことで,研究ミーティングのやり方を見直さなければいけなくなっており,課題を抱えているという現状です.課題を一緒に解決に勤しんでくれるメンバーも絶賛募集中です. 

最近のTips紹介

研究を効率的に進めるためのTipsを最近まとめる機会があったので,こちらの方でいくつか紹介したいと思います.
2022年の中村のTipsは下記に添付します.(基本的には研究効率化Tips ver2の内容になりますが,追記した部分については,スライドの右上に追記のラベルを振っています.)

1.アイビー・リー・メソッド

様々なコミュニティを横断して,タスクを抱えている人におすすめです.タスクを一定数抱えると脳がパンク状態になってしまい,タスク消化の効率が落ちてしまうのですが,アイビ・リー・メソッドを用いることで,意思決定に迷わず,知的体力を残しつつタスクを消化することが私はできました.

2.論文はローカル環境に落としておく

あらかじめ,読む論文をオフライン上に落としておくのもおすすめです.論文を読むという作業は,隙間時間にやれると良いと私は考えていて,隙間時間に論文を読むためには,論文を読むためのストレスを減らすことがすごく大事だと思います.
その1つの工夫として,上記のような事をしています.

3.睡眠の質を向上するために腸内環境を整える

睡眠の質を向上するために,下記のスライドの工夫をおこなっています.
腸内環境を整えると気持ち寝覚めが良く,睡眠時間が多少短くなっても頑張れる体を作ることができます.腸内フローラ(腸内細菌叢)を増やすと睡眠の質が向上したという記事があるので,ご参照ください.

参考記事


終わりに

cvpaper.challengeには,医療や農学などの様々な分野の人たちが,CV分野で研究をおこなっています.この多様な背景を持つメンバーが集約することで,色々な知識を共有ができていると思います.そんなメンバーのおかげもあって,私も色々なことを勉強できています.私は,cvpaper.chalellgeの中でもHQメンバーなので,研究メンバーとの相互作用がさらに働いて,研究コミニティのポテンシャルが最大限に活かせられるように努めていきたいと思います.
研究コミュニティをより良くしていくメンバーも募集しているので,興味があればぜひお声かけしてくれると嬉しいです.

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