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Introducing Eastern Orthodox Theologyの要約8 第二章 1

第二章 神とは何者なのか?至聖三者の教理
ハリストスとは何者か?

par.1
 キリスト教の中心には十字架とハリストスがあるが、彼は何者なのだろうか。福音書や他の新約聖書箇所の語るところによると、彼は預言者、教師、奇跡者、ユダヤの宗教、ないし政治的脅威であった。

pars. 2
 しかしイイススはご自身をどう考えていたのだろう。彼の教えは同時代のユダヤの教えと比べてとびぬけたものではない。彼は新たな権威で以て語ったものの、彼は新たなメッセージとともに現れた偉大な教師でも、宇宙の新たな解釈を掲げた哲学者でも、新たな道徳規範を示した道徳の師でもなかった。

pars. 3
 これは彼自身は何も書き残さなかったことによっても裏付けられるが、イイススは二つのことでご自身を記憶するように弟子たちに言ったのである。弟子たちが祈り方を尋ねた際、彼は天主経を授けた。受難の前の晩には、彼は弟子たちに、集まってパンを割き、ワインを共有して、彼の血肉としてそれらを受けることで彼を記憶するように求めたのだ。

pars. 4, 5
 西洋哲学の伝統では、神は第一原因、万物の究極説明、倫理的価値を引き受ける者と呼ばれてきた。
 これらの考え方はすべて重要なのだが、イイススが弟子たちに彼を記憶するように示した方法は神の神秘への異なったアプローチを示しているようだ。天主経はなによりも神は私たちが祈りをささげる相手であることを教えてくれる。神は究極原理のようなものではないし、究極的価値でもない。祈りで以て呼びかけ、関係性を持つことができるお方である。私たちは彼を「父」と呼び、その息子、娘なのだ。

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