roku(6)

レコードショップのバイヤーとして10年、音楽ライターとして10年活動して自分もアラフォーになり、少しだけ昔の話がしたくなりました。もう時効でしょ、ってことで、今まで言えなかった話も備忘録として。私的「レコード屋が言えなかった話」。

roku(6)

レコードショップのバイヤーとして10年、音楽ライターとして10年活動して自分もアラフォーになり、少しだけ昔の話がしたくなりました。もう時効でしょ、ってことで、今まで言えなかった話も備忘録として。私的「レコード屋が言えなかった話」。

最近の記事

レコ屋回顧録(弐) -レコード屋勤めの話(2000年初頭)

当時はまだインターネットが普及しておらず、売り上げは店頭が9割9分、通販でレコードを買うという習慣がまだまだ浸透していなかった時代。自分が勤めていた店は比較的ウェブ通販への参入が早い方だったけど、その少し前ぐらいまでは、そもそも商品データベースが存在せず(と言うか必要なかった)、アナログに商品をカードで在庫管理していたのを思い出します。レコードと一緒に袋に詰めた商品カードの裏に在庫数をメモしてて、売れたらカード裏をチェック、在庫があるものは棚から引っ張り出して袋に詰めては店頭

    • KILLAH KUTSの話(弐)

      直近、数年前の前回記事がちょいちょいリアクションを貰ってたんで不思議に思って(随分放置してた)NOTEを覗いたら、藤井健太郎の同名企画に絡めてXで記事が拡散されてたんすね、思いもよらぬ反響にビックリ。 というわけで、折角なので続きを書こうかなと。現金なモンでリアクションがないとペンも走らないんですよね、こういうのって。 とは言え、前回記事がもう4年前で、どこまで書いたかもうる覚えになっちゃってる始末。 簡単に整理すると、当時はプロモバブルに乗っかって日本では好調に販売数を伸

      ¥200
      • KILLAH KUTSの話(壱)

        2000年代にヒップホップ/R&BのDJを志していた人なら、一度は必ず目にしたであろうブートレグ・レーベル(?)と言えば、KILLAH KUTSでしょう。業界を大いに肥したプロモバブルの裏側では、現物の確保が難しかったレアなタイトルのKILLAH KUTS盤が、非DJを含むライト層の受け皿になっていた部分もあり、同時期にかなり需要を伸ばしたシリーズでもあります。 他に、分かりやすく対抗馬になってたシリーズがあまり無かったし、敢えて言うならLETHAL WEAPONとかTOP

        • 中古買取の話

          勤務していたレコード屋は、幸いなことに中古の取り扱いもあって。 実は、入社時期に同級生で同じくレコキチだった幼なじみも一緒に誘って、同期でアルバイトで入ったんですけど、自分はブラック・ミュージック担当、彼は何かしらのジャンル特化型の聴き方ではなかったんで、オールジャンルの中古(クラシック以外で、ソウル/ファンク/ジャズ/和モノなど)の担当ってことで。 元々、友達だったんで、中古担当の仕事で当初は作業拠点も違ったんですが、催事準備の時なんかは自分もヘルプで手伝いに行ったり、情報

          レコ屋回顧録(壱) -レコード屋勤めの話(2000年初頭)

          レコード屋には、学生期間を終えて、アルバイトで入社して。学生時代から入り浸っていたので、当時のスタッフに誘ってもらって、当時は他にやりたいことも無かったから、二つ返事で決めて。 趣味でDJ活動もすでに始めていたこともあって、別にDJで食っていきたいと思ってはいなかったけど、好きなことを仕事にしたくて、最初のうちは本当にレコードを袋に詰めるとか、キャプションを書くことだけ嬉しかったんですよね。 レコ屋の仕事が、意外と地味な件 自分が学生の頃、単なる客の立場だった頃にはあまり意

          レコ屋回顧録(壱) -レコード屋勤めの話(2000年初頭)

          ライター時代の末期

          音楽ライターとしては、レコ屋を退職した後も少し、専門誌を中心にトータルで10年ぐらい活動したんですけど、そっちでももうお声が掛からなくなって7、8年経ちます。 ちょうど、2010年代前後は寄稿してた雑誌が次々と休刊した時期で、「あー、もうこっちも厳しいな」という感覚でしたね。 当時の音楽ライターって(多分いまもですけど)、東京の業界人が殆どなんですよね。 ライナーノーツなんかの、少し大きめの仕事は、ほぼそっちの独占市場で、関西にはほぼ回ってきません。 年功序列と言うか、そも

          ライター時代の末期

          10年前のレコード屋事情

          ご挨拶だけの投稿っていうのもあれなんで、連投。 時系列的に、レコード屋の会社勤めとしては最後の話になっちゃうんですけど、記憶としては一番新しいところから。 私は11年勤めていたレコード屋を退職したのは、2010年になるんでもう10年前なんですけど、その時のレコード屋事情から回想したいと思います。 10年一昔、とはよく言ったもの。すでに記憶が曖昧になってきている部分もあるので、調べながら。 かのCISCO RECORDSが廃業したのが2008年の10月末、DANCE MUSI

          10年前のレコード屋事情