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農作業の楽しみ・命の犠牲の実感
今年の2月から週に1・2回畑に行っている。
畑を耕したり、植物の世話をすることは非常に気持ちが良い。
その上、収穫できる野菜はとても美味しい。
畑仕事の魅力を考えてみる。
体を動かす、やったことが形になる、おいしい野菜を食べることはもちろん、野菜を食べることにも虫などの犠牲があることを実感できる。
きっかけ
2月ごろに妻の母が私の家から徒歩20分くらいの場所にある農園の4畝を契約した。
農薬を使わず、有機肥料のみで栽培する農園だ。
ありがたいことに契約後、ほとんど私たち夫婦が管理・収穫をさせてもらっている。
周囲はミカン畑と森に囲まれていて、様々な虫やリスなどの動物がいる。
ただいるだけでも心地よい場所。
契約後、初めて農園に行った時に、土づくりと畝の作り方や、マルチ(表面に被せる黒いビニール)の貼り方などの基本を教えてもらった。
帰りに、農園の方から栽培中の菜の花をもらったのだが、そのおいしさに感動した。
菜の花を茹でている時から、非常に強く芳しい花の香りがし、その香りは口に入れた時に茎の苦味と相まってなんとも言えない味となる。
環境の良さはもちろんだが、収穫物の美味しさがきっかけとなり、はまっていった。
畑仕事は楽しい
私はいわゆる大企業に勤めている。
その日々の仕事との違いは、なんと言ってもやったことが形になること。
土を耕せば柔らかくなる、肥料を入れてマルチをかければ発酵して暖まりよい土ができる、虫がつけば手で駆除する、そして実を収穫して食べる。
自分の体を使い、ものを作って、食べる。
その確実な実感がある。体も心地よく疲れる。
週末は子供も連れて行く。子供にとっても、畑仕事は楽しいもののようだ。土づくりや収穫はもちろん、様々な虫を見て触れる機会は貴重なもの。
農園では時々6歳くらいの虫博士と会う。タイミングが合えば一緒に虫を探して農園を歩き回っている。
もちろん、少し大変なこともある。
美味しい葉っぱには虫がつく。
農薬を使わないことから、虫がよらないようなマリーゴールドのような植物を植えたり、ネットをしたり、(気休めの)唐辛子液を吹いたりもするが、どうやっても虫がつく。
青虫も小さいうちはまだ可愛げがあるが、2cmを超えたあたりから見た目も食欲とそのフンもおぞましくなってくる。
ガの幼虫は、小さい頃から色が毒々しく、羽化の時には糸をはる。
ルッコラや、白菜、キャベツブロッコリーは虫の大好物のようで、放っておくとほぼ食べられてしまう。
申し訳ないと思いながら駆除しなければならない。
しかしこれは、普段食べている食事も同じで、罪悪感が見えていないだけ。
リスは落花生が好物のようだ。
ネットを張り、隙間からも入れないようにしっかりと杭を打っておいても、雨で土が柔らかくなったところを狙い、土の中の落花生を食べ散らかす。
時にはその中にリスが栗を埋めていたりもする。
作って食べることはいいこと
ちょうど今年はコロナの影響もあり、体を動かす機会としてもとてもよかった。
私たちは、何かの命を消費して生きている。動物の肉、植物、それらを育てるために無数の命を犠牲にしている。
何かを犠牲にすることにままならなさを感じるが、その現実や、自分で命を刈り取ること、その実感を忘れずに生きていきたい。