47才のキャンパスライフ 〜慶應一年生ミュージシャンの日々〜 29「人がエコーを好きな理由」
6月に入り、1日から4日まで名古屋と大阪で木村世治さんとツーマンでのライブのため、大学はお休みします。(と言いつつ、この4日間のうち土日と補講日があるので、実質お休みするのは1日だけですが)
先生に欠席のご連絡をしつつ、大阪に向かう新幹線の中でこのnoteを書いています。
昨日までの2日間、名古屋のライブ会場「Music Bar BOB」は、初めてでしたがとても雰囲気が良く、音も良くておかげさまで楽しく歌うことが出来ました。スピーカーから出る音自体もそうなんだけど、会場も机や椅子など木製のものが多かったので、木の響きが良いのかも…と思いました。
皆さんはエコー(リバーブ)は好きですか? お風呂の中で歌うと響いて気持ちが良いと良く言いますね。僕はエコー(リバーブ)は、かなり好きな方だと思います。
我々は通常、さまざまな反射音に囲まれて生活しています。
一度ジャケットの撮影で無響室(音の反射をほとんどなくし、室内での音の反響を無視できるほど小さく設計した部屋のこと)に入ったことがあるのですが、その時はなんだか耳が詰まったような感じがして、驚くほどの違和感がありました。
普段特に意識していなくても、いろんな反射音、つまり響きに囲まれて生活しているのだなあと痛感しました。(イヤフォンやヘッドフォンだとそういう反射音がなく直接耳に届くので、殆どの録音作品ではリバーブを用いて空間の響きを作っています)
さてここからが本題で、前田(僕の本名です)は考えました。
どうしてエコー(リバーブ)は気持ちいいのだろうか。
原音と反響音が織りなす音の揺らぎを気持ちよく感じるということはあると思いますが、ではなぜその揺らぎを心地よく感じるのか。
これは我々人類が原始時代に火を手に入れた頃の、古代の記憶に遡るのかもしれないと前田は考えました。人類が火を手にいれ、それまでのように獣からの脅威に怯えることなく、雨風も凌げる広い洞穴を見つけ、その中で火を焚いて暮らした安心感。その安心できる環境が洞穴というよく響く場所だったから、我々はエコーを気持ちよく感じるようになったのじゃないかと思ったのです。
ぐっと時代が下って中世あたりになると、パイプオルガンがあるような大教会なんかも響きを重視して設計されていそうですよね。その響きでもって安心感や荘厳さを演出、提供したのかもしれません。
そしてこのエコーは、味覚の世界でいうと後味の余韻みたいなもので、ウィスキーなんかもその余韻が長いものが僕は好きで…
などととめどない話が続きそうになったところで、もう大阪に着いてしまいそうです。あぶなかったー。
さあ! 今日からのライブも頑張ろう!
響きがいくら良くても、そもそもの声が良くないと意味ないですものね。ぃよし、ベストを尽くすぞ。