47才のキャンパスライフ 〜慶應一年生ミュージシャンの日々〜13 「開校記念日」
この年齢になって突然大学に通い始めておいて、いったいどの口が言っているんだという気もしますが、そもそも僕は少年の頃、学校というものが好きではなかった。
毎日同じ時間に同じ場所に行って、同じような事をするというのがどうにも性に合わなかった。勉強そのものは嫌いではなかったけど、興味を持てないものにはとことん興味が持てなかった(トートロジー!)ので、成績もあまり良くなかったと記憶している。
と少し格好をつけて書きましたが、本当は単純に朝起きるのが苦手だっただけのように思います。だって眠いんだもの! なので高校はできるだけ家から一番近い(ので朝遅く起きられる)高校を受験した。そこが割と進学校だったので高校受験だけはがんばったけど、入学した瞬間から大学に行くつもりはなかったので、それ以降は勉強もせずに音楽のことばかり考えていた。
まあ学校が好きではなかったというのは(特に僕らの世代では)珍しいことでもないと思うんだけど、実は最近まで
「ああ…明日も学校に行かなきゃ…いやだ…いやだよぅ!」
という悪夢を見て、汗をかきながら目が覚まし
「ふう…僕はもう大人なんだ…、もう学校に行かなくていいんだ!」
と安堵するということがしばしばあった。その度に「そんなに嫌だったのかなあ…楽しいこともたくさんあったけど」と不思議がったのだけど、何度も繰り返しみる悪夢のパターンの一つがそれということは、深層心理的に、なんかネガティブな思いを持っていたのだと思う。卒業して何年経つねん!という話ですが。
で、そんな僕が高校卒業後30年近く経って、今年から大学生になり、はや3週間が過ぎました。
朝起きるのが辛かった!という少年時代が嘘のようにしっかり目を覚まして(年齢的に朝が早くなったというのもある)キビキビと通学しているし、授業は興味のあるものばかりでどれも面白いし、昔の自分に見せてあげたい学生としての態度である。人は変わるものです。
まあ誰に頼まれたわけでもなく(どちらかというと周りに迷惑をかけながら)行かせてもらっている大学なわけだから、そうでなければ罰が当たる。
なのに! 先週の4月22日(月)の夜、翌日の準備をしていると、慶應のカレンダーにこんな事が書かれていた
" 4月23日(火) 慶應義塾大学開校記念日 "
それを見た瞬間、あろうことか
「え、明日おやすみ!?」
と、心ならずもウキっとしてしまった自分がいた笑
自分が行きたくて行ってるのに!
興味のある授業ばっかりなのに!
ばかばかばか!と自分を恥じたのであるが、どうやら「学校がおやすみ」の魔力は、そんな気持ちよりももっと深いところに染み付いてしまっているようであった。完全に条件反射である。
結局、開校記念日も授業は通常通り行われるという事で、翌日も機嫌良く通学しましたとさ。ちっとも残念じゃなかったですよ! 本当ですよ!!