Linearity Curve (旧 Vectornator)、Move のユーザーガイドを丸ごと翻訳した話
Linearity Curve (以下、Curve) というアプリがあります。ざっくり言えば、Adobe Illustrator のようにベクター画像を作るアプリです。
私はそれがまだ Vectornator と呼ばれていた時代に出会い、一目惚れしました。Mac よりも iPhone よりも iPad! というくらいには iPad に浸かっていた自分にとって、それはモバイルの新たな時代を告げる英雄のように映ったのです。
前置きが長い人ってどうなの?
大げさな表現はこのくらいにしておきましょう。時は進み、私はあることを考えていました。
Curve は確かに素晴らしいアプリです。その気持ちは今も変わりません。しかし、特に日本語を話す我々にとっては厄介な問題がありました。
それは、教育コンテンツが翻訳されていないことです。
Linearity の公式サイトには、ユーザーガイドや動画レッスンなど、非常に豊富なコンテンツが用意されています。それらを英語で読むしかないことを除けば、素晴らしいボリュームです。Curve はアプリ内で簡単な説明を読むこともできなくはないですが、同じ会社の Linearity Move (以下、Move) にはその機能もありません。これはよくない。
もちろん、これを問題だと考えたのは私だけではありません。「Linearity Curve 使い方」などでググってみると、Curve の使い方を解説するいくつかのサイトがヒットします。 (執筆時現在)
これらのサイトも大変素晴らしいのですが、多くの場合はわかりやすさを重視して一部の説明を省いていたり、逆に応用的な説明が中心だったりするため、すべてを知るためには複数のサイトを横断する必要があります。
当時の Vectornator をダウンロードしたばかりの私も、操作を覚えるのにずいぶんと苦労したものです。
公式のユーザーガイドが日本語に対応してればなぁ……
そういつものように考えていたとき、唐突に思いました。
自分で作るか。
こういうのに限って異常にやる気が出る
思い立ったが吉日、さっそく制作を開始します。2024 年 4 月 7 日のことです。
形式は……簡単に Web 上で公開できますし、Notion ページにしましょう。
まずは構成を考えます。さすがにあらゆるものを翻訳するわけにはいきません。ユーザーガイドは確定、ユースケースは無し、価格設定は付けましょう。
動画コンテンツは流石に時間がかかるので、やるとしても後回し。
さぁ、ここからが地獄の作業です。そもそも私は英語の読み書きができる人ではないので、色々と駆使しながら翻訳を進めます。直訳で意味が通らない部分は、ある程度自然になるように修正します。
言うまでもなく、これには途方もない時間を要します。自分でも驚くほどの作業量にもかかわらず、ある程度形になるまでには 15 日以上がかかりました。
さらに、ユーザーガイド以外の翻訳も進めます。価格設定とリリースノートはまだ楽ですが、問題は用語集です。
名前の通り、デザインや創作活動に関わる用語を解説するページです。これらはただ翻訳するだけでは、日本における状況などが反映されません。ふつう使われない用語の解説とか、アメリカの法律の話とかをしても仕方がないわけです。
そのため、独自の調査を踏まえて説明を追加しています。正確性はあくまで非公式ということで、多少は大目に見ていただきたいと思います (が、ヤバそうだったらやさしく教えてください)。
控えめに言っても超大変でしたが、見せられる程度にはまとまりました。
おかげで他に類を見ないボリュームになったはず!
まだ完成はしていませんが
しっかりと許可もいただいたので、めでたく公開に至ったというわけです。
執筆時点では、ユーザーガイドの全文 (若干再構成しています)、用語集、リリースノート、価格設定、ごく一部のブログ記事が翻訳されています。Curve と Move の機能でお困りのことがありましたら、ぜひ訪れてみてください!
そしてもちろん、本家記事も 5 億回読みましょう。
タイトルの通り、まだすべての作業が完了したわけではありません。ガイドに載せる画像も足りていませんし、動画コンテンツに至っては未着手です。流石に今までのような速度で制作を進めることはありませんが、ぼちぼち拡充していきたいと思います。気長にお待ちください。