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ライブレポ 「東京パフォーマンスドール ダンスサミット2020 NO LIVE, NO TPD Ver. 3.0」

曲層が厚い」ことを証明したかのようなライブだった。

10/15(木)、東京パフォーマンスドール(TPD)としては3回目の配信ライブ、「東京パフォーマンスドール ダンスサミット2020 NO LIVE, NO TPD Ver. 3.0」が行われた。

前回の「ダンサミver.2.0」から1ヶ月。10月でハロウィン前ということもあり、メンバー6人が思い思いの仮装をすること、またセットリストとしては久しぶりの披露となる曲が入っていること、フルバージョンで歌う曲もあることなどの前情報がメンバーのツイートなどで小出しにされていた。

結果、6人それぞれテイストの違う仮装は見られた(天下無敵はどうしても面白い)し、フルコーラスの曲も楽しめた。
TPDのライブでは、ノンストップライブにおいて冗長さなどを省くためか、2番が歌われないことも多い。しかし、意外と2番にはいい歌詞が挟まれている曲も多く、たまには聴いてみたくなるからこういう試みもありがたい。2番は個人的には、脇あかりさんのパートが多いイメージです。

懐かしい曲で言えば、冒頭の「キス少」こと「キスは少年を浪費する」と、「センセイのお気に入り」などだろうか。TPDファン2年めの僕にとっては、ライブで観るのは初めてだった。行ってないライブで披露されたのかもしれないが、何にせよレアな曲ではある。

けれども、個人的にインパクトが大きいのはそこではなかった。披露した曲に、前回ライブとの「被り」がほぼないことだった。

今回(ダンサミver.3.0)と前回(ver.2.0)のライブで披露されたのべ40曲(間違っていたら勘弁してください)のうち、ver.2.0と3.0で重複した曲は「SURVIVAL!!」だけであった(画像はともにTPD公式アカウントより)。恒例の「BRAND NEW STORY」でさえ今回は披露されていない。

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今回のライブを告知するにあたり、TPDメンバーはこのことには特別触れていなかった。ライブごとにセットリストが大きく変わることは、TPDにとってはわざわざ言うほどでもない当たり前のこととなっている。当たり前になってしまっているが、よくよく考えるとこれはなかなか特筆すべきことだと思う。

もちろん、たんなる曲数の多さがセットリストの選択肢を増やしている、ということはあるだろう。新生TPDは結成から7年間走り続けており、年数のぶん曲も出している。さらには、90年代に活躍した先代TPDがリリースした曲を「リアレンジ」バージョンとして披露することも多い。先代のグループを引き継いでいる、というのは他のグループには無い特異な性質であり、このことで単純に曲数が多くなっていることは間違いない。

けれども、曲数が多いことと、ライブで披露するに耐えうる曲があることはまた別問題である。

これまでリリースされた曲のほとんどがライブでも複数回歌われているのは、「良い曲」「ライブ向きな曲」がとりわけ多いことを示しているだろうし、特徴がまるで違う曲を巧みに歌いこなせるTPDの強さをあらわしているだろう。

MCを挟まないノンストップライブを身上としているため、曲間での雰囲気が大きく変わるときがある。その時は表情などもノンストップで変化させていかないといけないが、彼女らはそれらを難なくこなす。

前回のライブでは、かわいらしい曲と笑顔一つ見せないような魅せる曲のような毛色の違う曲が交互に来ている感じを受けた。このことは前稿でも書いた。

一方で、今回のセットリストは、割と似たテーマの曲が固まっているイメージであった。
前半はハロウィンを意識したような(?)セットリストが並ぶ。明るめだったり、恋愛要素の入ったような曲、というほうが正しいだろうか。

個人的には、2019年2月14日に渋谷で行われた「渋谷LIVE CIRCUIT〜バレンタインナイト〜」を思い出した。当時月に一回のペースで行われていたライブシリーズの6月目(!)のライブで、そのサブタイトルや開催日から予想できるようにバレインタインを意識した、かわいらしさ全開のライブ構成になっていた。

これもものすごく個人的な話なのだが、その当日は所属していた研究室で嫌なことがあり(ゼミのことです)、もやもやを引きずったまま渋谷に来たのだが、TPDのいつにも増した可愛さあふれるステージを観てすっかり機嫌が良くなったという単純極まりない思い出がある。

話をライブ本編に戻します。

中盤になると訪れるユニット・ソロコーナーも、毎回誰と誰の組み合わせで披露されるのか予想がつかない。
その予想をしながら中盤を待つというのも毎回恒例の楽しみになっている。

今回で言えば、脇あかりさんがいきなり「Shadow Dancer」でかっこいいダンスで魅せた。床に座ってのパフォーマンスも、目の前に客が居ない配信ライブだからこそその姿をよく見られて楽しめる。
彼女がコスプレをしたアメリカンポリスの衣装も、白黒で演出された曲の世界観とこの上なく合っている。ライブ全体を通しても、今回は脇さんのボーカルがよく刺さってきた。

ぐーちょきぱー」という3人ユニットのターンでは、「BIRIBIRI GIRL」が披露された。オリジナルメンバー櫻井紗季さんは固定なのだが、他の二人は始まるまで分からない。
今回は、年長組の高嶋菜七さんと上西星来さんという組み合わせだった。高嶋さんはソロ、上西さんは脇さんとのユニット「赤の流星」という組み合わせがここ最近の通例だったように思うので、少しばかり意外だった。

「ぐーちょきぱー」は、TPDのライブにおいて緩衝材的な役割を果たしていると思っている。息のつまるようなシーンが多いTPDのライブのなかで、「ぐーちょきぱー」曲の登場では唯一と言っていいくらい力が抜けて楽しくなる。なにかと楽しませてくれる演出も多い。今回は「ビリビリゲーム」であったが、からし入りシュークリームのロシアンルーレットをしたこともあった。
何より、曲自体が「本隊」のTPDにはないはっちゃけぶりである。

この3人は、メンバー6人の中で年齢が高めということもあり「ババ3」とも呼ばれているトリオだが、確か以前にも「ババ3」で「BIRIBIRI GIRL」を披露したことあったよな、とも思い出した。

公式アカウントを調べなおしてみると、2018年の10月のライブでこの3人で披露されていたらしい。僕がTPDのライブに行き始める直前のライブであるがこれ以降にも少なくとも一回はやっていたかと思う。

残るは浜崎香帆さんと橘二葉さん。この二人だと「BURN ME OUT」一択だろう。
髪が乱れ、「灰(ハイ)になるまで」踊っている様子が配信を通して伝わってくる。身体だけでなく表情で惹き付けるようなこの曲は、カメラでしっかりと抜く配信ライブとマッチしている。

二人とも「久しぶりのバンミー」と口を揃えていたが、それを感じさせないようなパフォーマンスだった。


メンバーのパフォーマンスを観るにつれ、生で早く観たいという衝動は強くなる。
今回披露された「気持ちはING」「BE BORN」「SURVIVAL!!」では特に、脳内でコールを補完するには足りなかった。

そういえば、本編ラストの「SURVIVAL!!」はフルコーラスだったが、落ちサビがいつものライブバージョンではなくCDバージョンだった。パーカッションが勢いを増すライブバージョンのほうが好きなことには変わりないのだが、ライブで聴いてみるとオリジナルのほうもいい。
このパートを脇さんが歌っているとき、後ろのスクリーンには雨粒の映像が映し出されていた。勢いあふれるこの曲の一つのアクセントとして成り立っているように思える。

アンコールでは新曲の「TALES」が初披露となった。メンバーの橘二葉さんが、showroomの配信でこの曲について「レコーディングで泣きそうになった」という主旨のコメントをしていた。曲振りをした高嶋菜七さんも同様のことを言っていたし、ライブ後のメンバーのツイートでも「心に残る曲」といった旨のものを見かけた。

実際に聴いてみるとその言葉の通りだなと感じる。一回聴いたきりではあるが、テイストとしては今までのTPDの曲とは異なる印象であるが心の琴線に触れるような曲だと思った。

「これからこの曲を大事にしていきたい」というリーダー高嶋さんのコメントが頼もしい。


個人的には、オンラインライブは前回のTPDダンスサミット2.0やKEYTALKのライブ等で観てきていたため、映像の乱れや回線の不具合等にも違和感が無くなり、そろそろ「慣れて」きた感がある。
慣れてくると、そろそろ生でメンバーのステージを見上げたいという欲求が出てくる。
さらに贅沢を言えば、「コール」もしたい。これは当分厳しそうだが。

そんな思いが芽生え始めるころに、7周年記念ライブ開催が発表されたのはうれしい。本来6月に行われる予定であったライブの振替公演であるこのライブは、既に12月に振り替えられると公式発表がなされていたものの、詳細については不明であった。
また、予定は予定でありあくまで「未定」である。公式を疑うわけでは無いが、なかなか調整は難しいだろうと思いながらいた。

しかし、今回のライブで、TPDメンバーの口からそのはっきりと告知がなされ、ライブ後にはその詳細も発表された。こうなるといよいよ「生で観られる」という思いが現実味を帯びてくる。
もっとも、僕は延期となったもとのライブのチケットを買っていなかった(コロナ禍のため、1年以内には振替え自体も不可能だと思っていたから)ので、一般販売を待たないといけないのだが。チケット取れるだろうか。

お絵かき対決をしてみたり、事前投票で人気であった髪型にライブ中に変えてみたり。
配信ならではの、けど前回とは違う趣向も施されていた今回のライブ。
しかも冒頭で書いたように、前回とは曲目をガラリと変えてきた。個人仕事やshowroom等もあるのに、見逃せないライブをハイペースで届けてくれるのはありがたい。

そういえば、次回会えるのは12月と書いたが、11月3日にも対バンではあるが有観客ライブが組まれている。このチケットは買っておいた。こちらは開催までもう1か月もない。多彩な曲からからどんなセトリが投げ込まれるのか。「TALES」はやってくれるのか。個人的には1年近くぶりとなる生のTPDを楽しみにしたい。

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今回のライブで披露された曲について、新生TPD名義でリリースされた曲のいくつかはレビューを書いています。長い長いTPDの歴史のなかでは新参故、無知を晒す箇所も多いのですがよければご覧ください。

見出し画像 : TPD公式アカウントより


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