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「ときどき、散歩」

土の塊や石を投げあって、住処を作って遊んだ。

「陣地ごっこ」という。

荒れた畑、田んぼの中、林の中、橋の下、どこでも住処になった。

敵、味方に別れて、どちらかが、ホンマに血を流し、泣くまで、
そのゴッコは終わらなかった。
というよりも、そうなってしまうのだ。

そうなるって分かっているのに、
夢中になって、土の塊や石(ホントの石)を投げあい、よけあった。

当然、エスカレートしてゆき、本気になってしまう。
大きい石を探し、投げる。
言ったことじゃない・・・、ケガをする。

「痛〜!!」
おでこを触る。
血が手に付いてる。
「血ィー、出てるわー!」

みんな、我を忘れて、ゴッコは終わる。

こんなゴッコをしているんだから、

時には、
ひどいケガをした子のお母さんに会いに行き、
ケガをさせた者は(逃げたいけど)謝りに行く。

また、
大慌てで、その子のお母さんを呼びに行くこともある。

こっぴどく怒られ、もう2度としないと、
ケガをした子も、させた子も約束させられる。

なのに、
しばらく経つと、懲りもせず、
また、ゴッコして、ケガをする。

それを機に、
「絶交」したり、仲良くなったりもした。

「絶交やからな!」

決まり文句で、相手に了解させるための呪文でもあった。
みんなが、「絶交」「絶交」「絶交」と叫ぶ!

その「絶交」、ホントになったり、ならなかったり、イロイロだ!


そんな仲間と、
カブトムシ、トンボ、オタマジャクシ、
カエル、台湾ドジョウ、ザリガニ取りに明け暮れた。

雑木林や水田、池、沼、小川を走り廻った。

小さな川に淀みがあり、
そこには、油の膜が薄っすら張り詰め、いろんな汚物が浮いている。
ビニール袋、ボロ切れ、何かのホース、ヤカン、洗面器、

そして、
どこか肌色に似た丸ぁーるい、
ぷっくら膨らんだ浣腸のようなへんなモノ。

「見てみぃ、アレ、死体やでー・・・」
「どこ、どこ?」
「お腹ちゃうか?」
「どこ、どこ、どこ?」
「よう、見ぃ!」
「ああ〜、ホンマや〜!」
「こわ〜!!」って叫び、一斉に逃げ出した。

今、思えば、ホンマの様な、気もしないでもない。

ホントに死体やなかったやろか?
今でも思い出す。

あの時代、警察の力は怖いけど、完璧じゃなかった気がする。

ぼくが、6、7歳の時のコトなんだけど!!


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