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『わたしの美しき人生観』プロローグ

〈遺されたメモ① 惑星守護美少女隊隊歌〉
作詞 ジュンコ、他のみんな
作曲 テキトー(適当にAI使えば?)


はあ もうやんなっちゃう(ね?)
ユーウツな光線で バン!バン!バン!
笑顔のヨユーがなくたって
宇宙のピンチに駆けつける
私たち 惑星ほしのキュートな守護神エンジェル
エブリデイ・マジック 
アタラクシアのヒロイン
エブリデイ・ヘブン
キミも気になる?恋の行方(だーめ!)

大好き 大好き 大好きよ
地球キミのことが大好きよ
だから お騒がせ ときめいて  いたずらだって許して(chu!)
朝に去った風は 生まれ変わって
夜に去った涙も いつか乾いてく

大好き 大好き 大好きよ
地球キミのことが大好きよ
地球キミのことが大好きよ……

惑星守護美少女隊隊歌


 
〈遺されたメモ② 母への手紙〉
 拝啓 お母さまへ
 何から書けばいいか悩むね。あんたなんかに「さま」付けで手紙を書くなんて、意味があるのかわからない。でも先生が、人生はやりたいことを全部やるものだって言うから、残された時間が少ない今、こうやってくだらない手紙を書いてみるのもいいと思ったの。
 人生に意味があるのかとか、自分がなぜ生まれたかとか、なんであんたの娘として生まれたかとか、そんなこといちいち考えないよ。だってそんなことを考えることが、一番無意味なことでしょ。
 あたしのこれまでの人生は、人から見ればドラマチックで、悲惨で、幸福で、刺激的な退屈に満ち溢れたものだった。あたしは人生で起こったどんな出来事にも悲しみや喜びを感じ取ることができなかった。いろいろやってみたけれど、あたしにとって世界は本当に飽き飽きするものだったの。
 でも、これからあたしを待ち受ける、あたしの人生で最大で、最期の大仕事を無事に成し遂げることができたら、あたしは世界中の人々の人生観をまるごと変えることができる。それはたぶん、あたしの人生で唯一、退屈じゃない、最高のプロジェクトになるんだ。
 お母さん、この仕事がうまくいくことを祈っててね。母が娘にできることは、ただ〝祈る〟ことだけ。そうでしょ? それじゃ、さよなら。

ジュンコからの手紙

(プロローグ終わり)

(コメント2024・2・24)
何年も構想をあたためつづけていた小説にようやく着手し、今はだいたいの筋書きを考えながら文章を推敲しているところです。
本当はネット上には一切載せず、同人誌にして紙媒体で文学フリマなどに出店しようと思っていたのですが、遅々として進まない執筆の状況を考えたら、ネット上でアップ→完成版を紙媒体で出す、のほうが色んな人に興味を持ってもらえるし、なにより自分の成果をいち早く世の中に出すことができるので、気が楽だなと思うようになりました。

このプロローグだけではまったく意味がわからないものになっていますし、文体も本文とは違います。でも、いろんな文体を混ぜたり、断片的文章からストーリーの全体を汲み取ったり、読み返したときに「ああ、このキャラクターはこのときこんなこと考えてたのか」とあとから気づくような仕掛けを作れたらいいなと思っています。
なぜ「惑星」の「守護」をしている美少女のアニソンみたいな歌詞が・・・とか、「ジュンコって誰?」「なんで母親への手紙がいきなり?」みたいな、そういう、読者を混乱させてから、読み終えたときに「ああ、なるほど」と腑に落ちるような作品が好きで、自分もそんな作品が書きたいなと思って日々書いています・・・私は本質的には推理小説が好きなのかもしれません。がんばります。

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