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食品ECの物流成長ステップ|自社拡張から外注化までのリアルな道のり
1. 物流の壁にぶつかる瞬間
食品の通販で月商1-2,000万円の会社の時、まさか物流のことでこんなに悩む日が来るとは思ってもいなかった。コロナ化で加速度的に売上が伸びるのは嬉しい。でも、それと同時に出荷業務の負担がどんどん増していく。
かかわり始めた当初はは5坪のスペースでなんとか200件を出荷していた。でも、気づけば夜遅くまで作業が続く毎日。「このままだとまずいな…」と思い始め、物流の仕組みを見直すことにした。
物流改善は 3つのステップ を踏んで進めていった。
✅ ステップ1:自社スペースを拡張(まずは物理的に広げる)
✅ ステップ2:WMS導入(作業の標準化と効率化)
✅ ステップ3:外注(3PLの導入で限界を突破)
この流れを経て、ようやく「物流が成長の足かせになる」状況を抜け出すことができた。
2. ステップ1:スペースを40坪に拡張
まず最初にやったのは、「とにかく作業スペースを広げる」こと。
5坪の出荷場では200件が限界だったので、40坪に拡張。単純計算で約8倍の広さ。でも、作業自体は変わらないので出荷可能件数はせいぜい500件程度だった。
「スペースを広げれただけでは効率が落ちて数出せても性能は落ちる。
作業が属人的で、結局ベテランがいないと回らない。
ピーク時には作業が追いつかない
結果お客様との約束のタイミングに間に合わない出荷遅延を数百件単位で発生させてしまった。
3. ステップ2:WMS(倉庫管理システム)導入
「作業のやり方そのものを見直さないとダメだな」と思い、WMS(倉庫管理システム)を導入。
正直、導入前は「劇的に効率が良くなるのでは?」と期待していた。でも、結果はちょっと違った。
WMS導入の効果
✅ 検品作業がシステム化され、誰でも作業しやすくなった
✅ 作業を細分化できるようになり、今日来た人にも仕事を割り振れるようになった
✅ ミスが減り、オペレーションの安定感が増した
ただし、思ったほど「スピードが爆発的に上がる」わけではなかった。
「これで物流の課題は解決!」とはならず、次の壁がやってきた。
4. ステップ3:外注(3PL導入)
WMSを入れたことで作業は標準化できた。でも、それ以上に売上の成長速度がはやくスペースとキャパシティの限界はどうにもならない。
食品で40坪のスペースに保管まで含めると、せいぜい600~700件が限界。冷凍庫がさらに別で必要。
これ以上の出荷をさばくには、どうしても物流のアウトソーシング(3PL)が必要だった。
3PL導入のポイント
✔ 今使っているWMSをそのまま活用できる3PLを選定
✔ ライン化を進め、スムーズな流れを作る
✔ 自社の物流ノウハウを活かしつつ、スケールアップを実現
大きかったのは3PL側と自社両方が交通に恵まれていて元々自社で作業してくれていたベテランの方をみんな3PL側に契約し直せたこと。ありがたかった。
toCの経験がない倉庫だったが走りながら一緒にノウハウを貯められた。
5. まとめ:物流の成長は段階的に進めるのが正解だった
ECが成長すると、物流の問題は避けて通れない。でも、最初から「全部アウトソーシングすればいい」というわけではなく、自社でできる範囲を少しずつ広げながら、適切なタイミングで外注するのがベストだと実感した。
✅ 管理する自分たちが出荷業務の構造の理解をできている。
✅ システムも導入を経験することでイレギュラーに強くなる。
✅ さらに出荷量が増えた時に元々の時前のスペースを使ってすぐに2拠点出荷ができた。
こうして段階を踏んで進めたことで、自分たちにノウハウ持ちながら委託ができたのが大きいです。
物流の問題に悩んでいるEC事業者の方にとって、少しでも参考になれば嬉しいと思います。