【呪術廻戦本誌考察】現時点での宿儺は領域を使えるのか?
はじめに
本記事は現在本誌で連載されている呪術廻戦において、現時点での宿儺は領域を使えるのかどうかを考察する記事である。記事の性質上、バリバリにネタバレが出るのが閲覧にはしてほしい。また、単行本未収緑の内容を語る際は、該当部分の画像の使用は控える。
1.前提 五条戦でのダメージ
早速ではあるが前提となる五条戦の話である。この戦いは両者の領域合戦から始まり、その結果として脳に反転術式では治せない重篤なダメージを両者は負った。五条は自らの脳の自壊→反転術式での治癒の代償。宿儺は無量空所によるダメージである。このダメージによって互いに領域が使用不可能になった。
2.受肉による回復
その後、五条の敗北後に出撃した鹿紫雲が与えたダメージにより宿儺は切札を切る。受肉によって本来の自分の肉体を取り戻すことで起こる再生である。
これは呪物を器となる人間に飲み込ませる→呪物の基になった人間の肉体へと器が変化する、という受肉のメカニズムを利用している。
九相図兄弟や死滅回游の泳者達は皆、この受肉によって己の肉体を得ている。宿儺はこの変化をわざと留めて伏黒の肉体を維持する事により、重大なダメージを負った際の回復手段としていたわけである。
3.脳のダメージの行方
さて、受肉によりダメージを回復したのは確認した通りだが、ここで疑問が生じる。それが、この受肉によって五条戦で負った脳のダメージは回復したのか、という点である。
まず、宿儺は自分の肉体へと完全な受肉をする前、つまり伏黒の身体の時点で己の術式を使っている。
そして、五条戦で明言された術式は脳の特定箇所に刻まれるという情報を鑑みれば、この時点で既に伏黒の脳は宿儺のモノへと変化していると考えるのが自然である。
つまり、外見は伏黒のまま、脳だけを自らのモノへと変化するように受肉をコントロールしているということである。(特定箇所だけ受肉する、あるいは変化を留めるという技術は万が実践している)
だが、そうだとすれば一つ疑問が残る。伏黒の術式である。脳を完全に自分のモノへと変化させてしまえば、それはもう伏黒の脳ではなく、伏黒の術式は使えなくなる筈だ。しかし宿儺は二つの術式を扱う事が出来る。
このことから考えるに、宿儺は。
伏黒に受肉したタイミングで既に脳を自らのモノへと変化させている。しかしそれは、自らの術式が刻まれた箇所と、伏黒の術式が刻まれた元の箇所が両立するような、極めて繊細かつ中途半端とも言えるような状態で変化させている。
という事であると考察出来る。
さて、ここで本題に戻りたい。宿儺は受肉によってダメージを回復した訳だが、それは元々の身体が伏黒のモノだったからである。
しかし、この考察によれば既に自らの術式を刻む為に一部とはいえ脳の受肉を進めて、自らの脳へと変化させてしまっている。
また、仮に脳の変化による再生の余地があったとしても、自らの脳へと完全に変化させてしまえば伏黒の十種影法術を失うことになる。宿儺によれば十種は自らのやりたい事に必要であるらしいので、ここで失うワケにはいかないだろう。
つまり結論として言えば、受肉による回復後も五条戦で負った脳のダメージは健在であり、現在も宿儺は領域を使うことが出来ない、ということになる。
(また、メタ的に考えても領域は使えないと見るのが妥当だろう。使えたら詰みである)
蛇足
ここまで書いておいてなんだが、現時点で宿儺の術式に関してほぼ何も分かってないに等しいのでこの考察の信憑性は怪しい。この考察通りであれば、虎杖と宿儺が入れ替わる際に毎回虎杖の脳が変化し、戻る際には元の脳へと戻っていることになる。あり得なくは無いがあまり想像は出来ない挙動である。