【呪術廻戦】266話におけるラストシーン+虎杖の指についての軽い考察【本誌感想・考察】
はじめに
本記事では呪術廻戦本誌最新話、266話についての内容を取り扱う。もちろんネタバレまみれなので考慮した上で目を通していただきたい。
1.現状の宿儺の指の所在
さて、最新話である266話では終盤に興味深いシーンが二つ登場した。それは虎杖の左手の薬指が欠損していたシーンと宿儺の指らしき呪物がいずこかで封印?されているシーンである。
このシーンについて考える前に、まずは現状の宿儺の指の所在について軽くおさらいしておきたい。
まず宿儺の指は合計で20本が存在する。その内、渋谷事変が終了した時点では虎杖の中には15本分が存在したと考えられてきた。
しかし実際は、虎杖の中に生まれながらに封印されていた指がここに加わる為、この時点で16本分が存在していたと思われる。(話が逸れるので取り扱わないが、この指の扱いには諸説有り)
その後、虎杖から伏黒に宿儺が乗り移り、裏梅が謙譲した3本の指を取り込んだことで19本が集まった。そして残りの1本は宿儺曰く、虎杖の死刑を実質無期限にする為に五条、つまり高専側が保有しているという推察を立てていた。
これが、現状での宿儺の指の所在に関するまとめである。
2.乙骨の発言
次に宿儺の指に関する言及が出るのが宿儺戦に乙骨が参戦したタイミングである。
この時、乙骨は宿儺に対してコピーした「捌」を使用し、残る1本の指の存在を仄めかした。それに対する宿儺の反応が「喰ったのか」である。
つまり宿儺は、対象の血肉を摂取することで術式をコピー出来るリカの存在を考慮し、高専側が保有していた1本はリカによって喰われた、と解釈したのだろう。
ただ、この時点で色々と謎が残る。破壊不可能である宿儺の指をリカは摂取できるのか、また摂取出来たとして指に宿った宿儺の魂はどのような扱いになるのか、といった点である。
とはいえこれらの点を宿儺がどう咀嚼したのかはともかくとして、乙骨の発言と実際にコピーされた「捌」から宿儺がそのように解釈した、というのはおおむね間違いないと思われる。
3.ブラフと高専側の企み
しかし、266話の描写によってこの乙骨の発言はブラフであった可能性が高くなった。
結論から言えば、リカが摂取したのは虎杖の左手の薬指だったのである。
本誌勢は既に周知の事実であるが、虎杖は現在肉体に刻まれていた宿儺の術式である「御厨子」が使用可能となっている。
ここで注目したいのが、「御厨子」が使用可能になったのは黒閃の覚醒状態による作用によるものであり、術式自体は覚醒状態以前から刻まれはしていた、というのがナレーションから読み取れることである。
つまり、虎杖自身は「御厨子」が使えない状態であったとしても、その血肉には術式が刻まれており、それをリカが摂取することでコピーが可能なのだ。
それを実行した証が欠損した薬指、という訳である。
この場合、乙骨が指の存在を仄めかしたのはブラフであり、「最後の指はリカが摂取した」というミスリードを誘う意図があったのだと思われる。
実際には残る1本の指は、何かしらの企みにより宿儺に感知されないよう封印(もしくは結界)を施した状態で保管しており、それが今週のラストシーンである、ということになる。
蛇足
リカが摂取したのが虎杖の薬指である場合、色々と懸念点が発生する。
一つ目が何故欠損したまま放置されているのか、という点であるが、これに関しては虎杖自身の反転術式、そして家入の反転術式を用いても指を再生することが出来なかったのではないかと考えている。
過去に石流がいかに反転術式でも欠損した腕を元に戻すのは困難である、と語っている通り、欠損部位や反転術式の練度によっては完全な治癒は難しいのだろう。五条や宿儺は例外である。
二つ目が、シャルルの存在である。乙骨がコピーした術式の中にはシャルルの「G戦杖」も含まれており、恐らくは秤の仲介により乙骨のコピー対象として協力したのだと思われる。
そしてこの場合、シャルルはコピー用の自身の血肉をリカに提供した事になるのだが、虎杖が薬指を丸ごと提供した事を考えた場合、シャルルもそれと同程度の血肉を提供した、という可能性が生まれてくる。
虎杖が薬指を提供したのは、合理的に考えれば術式のコピーにそれだけの血肉が必要だから、となるだろう。しかし宿儺討伐に心身を賭けている虎杖はともかくとして、一協力者であるシャルルに薬指一本分と同程度の血肉の提供が出来るのか、という疑問が残る。
一応考えられる可能性として、虎杖のみコピーに必要な血肉が通常より多かった、とは考えられる。
「御厨子」自体は既に肉体に刻まれているが、黒閃が無ければ使用不可能であったことから、術式が完全には身体に定着しきっていない=コピーに必要な血肉が定着している者より多くなる、といった理屈である。