安部龍太郎 ふりさけ見れば、を読んで。

安部龍太郎 ふりさけ見れば  日本経済新聞出版 2023.7.20
迷った末に上下巻買ったのですが、高校時代の漢文を思い出させもし、一気に読ませる面白さでした。テーマは遣唐使で、主人公は西暦717年に唐に渡った阿倍仲麻呂(あべのなかもろ)と吉備真備(きびのまきび)です。玄宗皇帝の唐と同時代の大和の出来事が並行して展開します。日経朝刊の連載小説(2021/7/23~2023/2/28)で、朝から濃厚な艶っぽいシーンが登場して驚いたこともありました。昨年(2022)の12月、姪たちと、洪水を受けた岡山県真備町(まびちょう)を訪ね、洪水の被災場所と対策工事を確認するとともに、その地が吉備真備ゆかりの地と知りました。次は安部龍太郎さんの寄稿(日経2023年10月22日)からです。彼も現地を訪ねています。「2018年7月5日から7日にかけての豪雨で小田川の堤防が決壊し、真備町は最大で5メートル近い深さの水におおわれて甚大な被害を受けた。その原因は高梁川の水位が上がり、小田川に流入して水位を上げたことである。こうした危険を無くそうと、国土交通省では高梁川と小田川の合流を阻止するための付け替え工事を進めてきた。その工事が5年という短期間で完成し、10月29日に分流が行われるという。」 真備町から旧山陽道を小田川沿いに広島方向に行くと、街道沿いの街全体を道の駅とした魅力的な矢掛(やかげ)宿で、その先は、平櫛田中美術館のある井原市です。この本を抱えての山陽の旅は如何でしょう? おすすめは、岡山県総社ー(井原線)ー広島県神辺ー(福塩線)ー福山。

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