子どもごころに
4歳か5歳の頃、家族でテレビを見ていると美輪明宏さんがでていました。何気なく、
「この人かっこいいね。」というと、両親の顔色がかわり、「あれはダメだわ、シスターボーイだから。」と言いました。そんな反応は予想外だったし、何より、シスターボーイの意味がわからず、それを尋ねました、。すると。、「男なのに女みたいな人って事だわ。」と怒ったように言われました。本当は、それの何がいけないのか子ども心に疑問に思ったのですが、両親の様子から、それ以上は聞けませんでした。その後も、男は男らしく女は女らしくないのはおかしいという気持ちが二人にあることが伝わってきて、かなり長い間、それが正しいと思っていました。もちろん今はそんな事はおかしいとわかっていますが、子どもの頃は、親の価値観は、絶対で、一度植え付けられた価値観は、なかなか覆すことは困難です。ですから自分の子育てにおいては、できるだけ、偏った考えを押し付けないよう気をつけてていました。でも、保育士として仕事をしている時に、無意識に男の子に車、女の子に人形を渡したりしてしまうことがあります。年齢の小さい子どもにとって、保育士の影響力もかなり大きいです。世の中がやっと少しずつ、自分の性別に、違和感をもったり、異性でなく同性と結婚したいということを言えるようになって来ています。何の力もない私ですが、せめて自分の関わる子どもたちには、広い価値観を持ったおとなになり、偏見のない未来を作っていってくれるよう、自分自身も肝に銘じていきたいと思います。