なんかうれしい、この瞬間
退屈だと感じたら、観察してみる
わたしを退屈させているのはわたし自身。
退屈だと感じたら、周りをよく観察してみることにしている。
とあるグループホームにて。
昼食後のまったりとした時間。居室のベッドで体を休める人もいれば、リビングルームで過ごしている人もいる。
リビングルームにいる人たちと、さてどう過ごそうか?
2つのテーブルがあるが、片方のテーブルには一人しか入居者さんがいなかったので、人がいるほうへ移動させてみる。
で?
普段は椅子に座ってテレビを見るでもなく、塗り絵などをするでもなく、うとうとしているSさん。体操の時間もほとんど座っているだけに等しい。
Sさんが動くって?遊ぶって?なにか楽しむって?
まあ、思いついたことをやってみようと、大きめのぬいぐるみをSさんに投げてみた。受け取ったら、わたしに投げ返してくる。しかもちょっと楽し気な様子。キャッチボールのようになり、周りにいた人たちも気になりだしたようで視線があちこちから飛んでくる。一人二人と巻き込んで、そのテーブルにいた4人みんなの間をぬいぐるみが行ったり来たり。テーブルをスルスルとすり抜けたり、大きく円を描いて飛んできたりし始めた。
笑い声も聞こえて、驚く反応があったり、キッチンで調理をしていたスタッフもその様子を見ながら笑顔がこぼれていたり。
そこにいたみんなが夢中になりだす姿がうれしくて、私も含めてその時間をともに楽しんでいることがうれしかった。
観察して湧いてきたことを大切にしてみる
そこには、コントロールしようとか正解さがしをしようとか、そんなことがなくて、あったのは自分を含めてその場にいた人たちと楽しみたいという欲求とそれに従ってみることだった。
昨日、初めて派遣バイトで行ったデイサービスで。
朝来てすぐにドラえもんパズルを探していた女性がいた。その時は、別の人がやっていて棚にドラえもんのパズルはなかった。他のは難しくてできないという彼女。残っているものの中で比較的やさしそうなものを選んで勧めてみた。
その後、わたしは利用者さんが個人で行う運動の誘導と付き添いをするためにその場を離れた。
午後になり、手が空いたのでその女性のもとへ行くと、朝勧めたトムとジェリーのパズルをやっていた。
「チャレンジしてみてるんですね。」
と声をかけると、
「そう。でも難しいの。」
と。
その会話を耳にして、隣と正面にいたひと二人が協力し始めた。
「ここにこれがあるからこのあたりなんじゃない?」
と声をかけながらピースを置いたり、自分がやっているワークの片手間で時々手を出したりと、それぞれのやり方で。
途中でレクレーションの時間となり完成には至らなかったが、それぞれに過ごしていた時間がともに過ごす時間に変わったことがうれしかった。
どう表現していいのか、なんだかふわっとその場のエネルギーが変化する感じがするのだ。心地よい感覚。
いつもとは違うパズルにチャレンジしていた女性、97歳なのだと。
しゃきっとしていて元気な方。チャレンジ精神旺盛でいるって、元気でいる秘訣なのだろう。
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