素敵なアパート暮らし
今日のお昼前、ベランダで洗濯物を干しながら見えるその風景にうっとりしていた。
「あぁ、ここ、やっぱ好きだなぁ。」
わたしは、今暮らしているアパートが好きで、キッチンやベランダから見える風景もとても気に入っている。
長年大家さんが大切に育ててこられた思いが伝わってくるアパートだ。
そして、そんなしあわせを実感しながら、玄関から外へ出ると、2階の住人さんが階段下で息を切らしている。
足元にはたくさんの荷物。買い物へいき、タクシーの運転手さんに階段下まで運んでもらったのだと。
「これ、2階まで運んでくれない?」
と住人さん。
「もちろん。」
買い物袋の中から、わたしがアパートの隣にある雑貨屋さんに納品しているあんぱんがチラリと見える。
「あ、あんぱん。ありがとう!」とわたし。
「このあんぱん、美味しいのよ。」お2階さん。
「いやぁー、嬉しいよ。」
と、気持ちを伝えられたことも含めて二重の喜びを実感。
部屋の前まで運んでいると、
「この花きれいでしょう。」
と、お隣さんの玄関前の花を指している。
その口調はまるで自分の家の花の話をしているようだった。
「うちの朝霞に水をやるときに一緒にあげてるの。」
彼女のお隣さんは、二拠点生活をしていて、毎日水やりをすることができない。
それでもこんなふうに協力を得て、花が生き生きと育っているって。なんてしあわせなんだろう。
お隣さんの家の花も楽しみながら可愛がっているいる様子が伝わってきて、じんわり胸のあたりが暖かくなった。
荷物を運び終わり、階段を降りようとしたら、「アイスあげるよ。」と。
一旦断ったが、もう一度声をかけられたので、
「では、喜んでいただきます!」
といただいた。
目に見えるもの、見えないもの、いろんなものがこの小さなアパートで循環している。