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再登校のきっかけの、きっかけ
少し前の記事で、息子の再登校のきっかけについて書きました。
実は、その再登校のきっかけにも、きっかけがありました。
「学校」への登校を促していないのに、学校への再登校を選んだ息子。
それは、私にとっては、
想定外の息子の「選択」でした。
息子本人が、"学校に行かない"と決めてから、私たちは、それ以降はもう、
「学校」に戻ることは考えていなくて、学校以外の居場所探しに奔走していました。
息子は、「学校」には合わないものの、
エネルギーは有り余っていて、息子自身も、どこか別のところに何か楽しいことが待ってると思っていたのか、居場所探しには前向きでした。
転校も視野に入れて、フリースクール、
オルタナティブスクール、様々な場所を見学、体験もしました。
でも、ほとんどの場所は体験を数回するだけで本人が満足してしまい、
その後に繋がることはありませんでした。
"家族以外の第三者、出来れば、同年代の子たちと関わりをもってもらいたい"
ただただ、それだけの願いでしたが、
調べて、予約して、見学して、体験して…
とにかく時間がかかる。
居場所探しは一年近くも続きました。
さて、次はどうしようか…
そう思っていたとき、息子が言いました。
「ママは、一体、僕にどうしてほしいの?」
「どうしてほしい?(ん!?)」この言い回しは気になると思いつつ、
これまでも伝えてはいたけど、
あらためて、
”勉強をして欲しくて探してるわけではないよ、
あなたの年代にとって、同世代との触れ合いはとても大切に思う” 等を伝えました。
すると、
「そんなことでいいなら、遠くまで行く移動時間がもったいないから、一番近い今の小学校でいいよ。週に1回とか、2回でいい?」
と言うのです。
「(えっ…!?)学校、行けるの…??」
「うん、週に1回でいいなら、行く。遠くに行くの面倒くさいし。」
息子は、自分で決めたことは、やります。
そうして、
1週間の日程表をみて、登校する日を決める、ということが日課になりました。
ちょうど4年生に進級するタイミングの4月だったので、
まずは新学期に行われる恒例の"健康診断"がある日を登校日にしました。
最初は、健診のみの参加。
やがて、そこに給食をプラスしたり。
眼科健診
歯科健診
聴力検査
耳鼻科健診 等など
ここを登校日に選んだことにも息子なりの理由がありました。
これまでは、学校に行っていなかったため、
わざわざ、別日に病院までいき、他の患者さん達と一緒に待合室で待ち、
長い時間をかけて健診をしていました。
「あんなに待たされるくらいなら、学校の健康診断に行ったほうがいいや」
(ママもそう思ってたけどね…)
そんなことから、
学校の正門を久しぶりにくぐることになったのです。
息子の顔は、とっても緊張していました。
二人で一緒に、一年近くも奔走した居場所探しが、一周まわって「学校」に戻ることになるとは想像もしていませんでした。
もしかしたら、息子は、
”自分に100%合うところなんて、どこにもないんだ”
と、
どこかぼんやり悟ったのかもしれません。
傍から見たら、止まっているような時間でも、
きっと心は変化し成長していて、
”全くダメ”だったものは、”ちょっとダメ”に変化していたり、
立ち止まっているように見える時間も、
思考は続いていたり、
目に見えることだけが成長ではないんだと、気づかされます。
正解のわからない、正解のない、
不登校のわが子との日々。
"ただ学校に行ってないだけです♪"
とは、なかなかスッキリと思えません。
上がって、落ちて、泣いて、笑って
メンタルが、、、忙しい…。
それでも、
私が見ている景色は、
以前よりずっと、豊かで、色鮮やかで、
子どもから得る気づきは大きく、学ぶことは視野を広げ、当たり前の日常に喜びが増えました。
そして、
息子に想いを寄せてくれている人たちがいることに、感謝せずにはいられません。
この4月から6年生になる息子。
今は、しばしの充電期間に入りました。
また、新たな「選択」をするため。
私は、いつも、
息子がエネルギーを燃やして燃焼する姿、
ひたむきさに、胸を打たれます。
思い切り燃焼し、そして、疲れる。
また休んで、充電して、エネルギーが溜まったら、また静かに動き出す。
これが、あなたのスタイル。
時間はかかっても、
自分で考えて、
自分で「選択」できること、
それって、
結構すごいことらしいよ。
本当にいつも、想定外をくれる子です。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。