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人間関係におけるマキシマイザー思考の原因が分かった

マキシマイザーとは完璧主義者のことで、人間関係におけるマキシマイザー思考は、友達を友達と認めるハードルが高いことを意味する。新しい関係を持ちそうになっても、「もっと良い人がいるはず」という思考で切り捨てたり、既にいる友達より仲良くなれると思わないから、関係を広げようとしない。私は高校生の頃からこの傾向が顕著に出ていて、1人一緒にいたいと思える人ができたら満足し、何をするにも行動を共にする。今の大学生活も、他に喋れる人がいないわけではないが、1人飛び抜けて仲が良い人がいるため、ずっとその人と2人で行動している。

私は、人間関係を3つのグレードで分けて考える。

①一緒にいたいから能動的に一緒にいる人。
②話す機会があれば話す人。
③話さない人。知らない人。

あえて定義づけをするなら、私が思う「友達」は①のみである。②は、大学生であればグループワークで同じ班になったときに話す人や、課題の不明な点を相談するくらいの関係性の人である。なにか機会や目的がなければ話したいとは思わない。③は文字通りである。

マキシマイザー思考を良しと捉えるかそうでないかは人それぞれだと思う。心から信頼できる人が1人でもいることは幸せであるが、友好関係が狭いと何かと不便なことも多い。

マキシマイザー思考の発現に関わるのは、自己開示能力である。

大学生になってすぐ、定番のアイスブレイクを行う機会があった。5人班の中で、各々が自己紹介をしてそれを起点に雑談をするという時間だったのだが、私はこの時間がとても窮屈だったことを覚えている。なぜなら、私には他人に紹介したくない(自然な流れで紹介できない)プロフィールがたくさんあるからである。具体的には、マセクシャルであること。腐男子であり、二次創作を描いていること。自律神経失調症であり、うつ症状もあること。

こんなことを初回のアイスブレイクで話したら、もはやアイスクリエイトである。そのため、絵を描いているとか、(有名作品を挙げながら)漫画が好きだとか、とにかくディテールを曖昧にしながら自己紹介をした。

しかし、もちろんこれらの秘密を抱えたまま友人関係を築くのは大変窮屈であるため、仲が良くなった人には徐々に話の流れに乗せて話す。この段階まで関係が到達するにはかなり時間がかかってしまうし、話すことはそれなりに勇気のいる行為である。逆に言えば、その分関係性がぐっと縮まっていて、大切な存在だと感じている証拠でもある。

中でもセクシャリティのCO(カミングアウト)をするか否かが私にとって1番の線引きである。「○○可愛くね?」「えっ女できた?」は、男子大学生の会話の鉄板であるが、COしていない人とこのような話をすると嘘のオンパレードになってしまうため、避けたい場面の一つである。では、どうやって避けるか。仲良くしないことである。先程の人間関係のグレードで考えると、②までの関係性に留めておくこと。②は、基本的にはプライベートな話をする関係にはないため、このような話題になることはない。

つまり、①と②の間に滅多に越えられない壁があるのだ。その壁には、自己開示の成分が含まれている。

①の友人ができてしまったら、再び自己開示の葛藤をしながら別の友人をつくる気分にはならない。自分の全てを知ってくれている人がいるなら、その人といることが1番楽しく、解放的である。だから、特定の友人とだけ仲を深め続ける。自分のプロフィールに開示したくない要素があり、それを知っている人が1人でもいるならば、わざわざ他の人に開示する道を避けるのは妥当である。このような理由で人間関係におけるマキシマイザー思考が発現するのではないだろうか。


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