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この傷跡と生きる

自分ではじめて体に傷をつけたのは5年前のこと。寒かったな。

あの時は何もないのに苦しいって思ってたけど、振り返ってみれば心を病む理由なんていくつもあった。だけどその中でも決定的だったのは、病む理由なんてないのにって自分を責める私の姿勢だったと思う。
学校でも家でも構わずODもリスカもしてた。人には見られないように気をつけながら、何度も繰り返してた。薬を飲まなきゃ1日が進まなかったし、1日が終わらなかった。

5年間の中で何度も後悔した。私のリスカはリスカらしいリスカじゃないから、跡が特殊で みんなからするとそれが何かわからないみたいだった。それどうしたの?生まれつき?とか聞かれることもあった。その度に苦しかった。言わないだけでわかってる人もいたと思う、隠せる範囲じゃないし 場所じゃないから、今もきっと人を不快にさせている。申し訳ない。

ずっと過去と共存している気分だ。何気なく視界に入る手が傷付いているのは、あの頃の心をみているよう。誰にも相談できず、ひたすらに自分に当たることしかできなかった自分を思うとあまりにも胸が苦しくてたまらない。5分でいいから戻って、今すぐに抱きしめて認めてあげたい。あの時の私はきっとそれだけで良かったと思う。

なんて、沢山後悔して生きてきた。なのに今年の春、腕の自傷に走ってしまった。その頃、夢で手首を切る夢を見るくらい自傷に関してまた後悔を重ねていたのに、なんの躊躇いもなく腕を切った。そこから3ヶ月近くたまに腕を切る日が続いた。左腕には跡がしっかり残っている。半袖を着て見えるか見えないかの位置を切ったけど、今後病気がマシになって生きていったとして、この体を抱えて生きていくのかと思うと気が重い。温泉旅行とか、オフショルとか、ノースリーブとか、人の前で裸になるとか、多分叶わないんだなと思った。肌を綺麗にする手術も調べたけれど、痛みとお金を知って物怖じした。

私はこれから何年苦しむんだろう。自分の手で自分の首を絞めて、また痛い箇所を増やした。ケロイドは痒いし、心は痛い。

この先ずっと、私はこの傷跡と生きていく。
過去と生きていく。

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