見出し画像

第9回「看護覚え書」のおぼえがき

私は障害のある方が利用するグループホーム(以下GH)に勤務しています。そこで行ったGH内研修での記録です。今回は8章のベッドと寝具類を読んだ感想を書きます。

8.ベッドと寝具類

今回の勉強会はベッドと寝具類というテーマでした。ちょうど勉強会前におこなった職員会議で利用者の寝具の不衛生が議題に上がっておりタイムリーな内容のテーマでした。この章は寝具の衛生管理がなぜ大切なのかが論理的に説明されているので、利用者さんに寝具類の衛生を保つことを促す際の説明に使えそうだと感じました。
 

●発熱は寝具がもたらす
 何日も何週間も風に当てて乾かしたことのない寝具類にくるまって来た患者はそこにしみ込んだ自分の身体からの発散物を繰り返し吸収してきたのだ。
 
●寝具類は大抵汚れていて不潔
 健康な成人の場合、人間は肺と皮膚から1日に少なくとも1.7ℓの水分を排泄している。その水分中にはすぐにも腐敗し始める有機物がたっぷり含まれている。しかも病人の身体から発するこれらの水分はその量が著しく増えることが多くその質も毒性が極めて強くなる。
 
●鉄製でバネのついたベッド枠が最良
 本当の看護をする唯一の方法は、まず鉄製で重層スプリング付きのベッド枠が絶対に必要。(これだと空気はスプリングを通してマトレスの真下にまで通ってくる。)

●ベッドの幅は広すぎないこと
 ・本当に重症の患者となるとベッドの中であちこち移動したりはしないためベッドを広くする必要がない。
  
●ベッドは高すぎないこと
 ・ソファーよりも高いベッドではベッドに出入りする疲労度が高まるのでちょうどそれに比例して患者が戸外や他室へ出るなどの軽い運動となる散歩の回数が減る。
 
●るいれき症の多くは掛け布団のかけ方に起因する。(※るいれきとは頸部リンパ節が数珠状に腫れる結核症の特異型。)
 ・子供たちのるいれき症は掛け布団を頭までかぶって眠る習慣が原因で発病すると言われている。こうした習慣の子供たちは、肺から排出されたものに加えて、さらに皮膚からの発散物によって汚染された空気を吸っているからである。
  
●褥瘡
 ・褥瘡の危険がある時には、病人の身体の下に絶対に毛布を敷きこまないこと。敷きこまれた毛布は湿気を留めちょうど湿布を貼るのと同じことになる。
 
●重いうえ通気性のない掛け布団
 ・病人用の掛け布団としては軽い毛布以外は使わないこと。
 
●自分の責任は病人にだけあって、病室にはないと考える看護師が多い
 ・病人にとって睡眠がいかに大切でその睡眠の確保のためには良いベッド作りがいかに必要かを考えるならば、自分の職務の一番肝要な部分を他人の手に任せられるものではない。

●枕(ベッドに寝ている患者を楽にするための注意)
 ・衰弱している患者は誰でも呼吸困難に苦しんでいる。枕の当て方は呼吸器官の下にある背中を支えて肩が後ろへ落ち込める余裕を作ること。そして頭が前に突き出さないように支えること。
  
●病人用の椅子
 ・枕の当て方の注意はベッドから起き上がった時の患者にも適用される。ごくありふれた座の低い枕と足台のついた堅い詰め物の肘掛け椅子が病人用に作られた椅子よりも具合が良いことが多い。患者の身体をなるべく多くの支点で支えることが病人用の椅子の基本条件。
 

看護覚え書  P.135~P.144一部抜粋


▶まとめ
フランスベッド株式会社が2022年6月に全国の20代から60代の男女1000人(男女各500人/年代別に男女各200名ずつ)に対して実施したアンケート調査では「寝汗が気になることがありますか」という質問に対し、全体の52.7%の人が「寝汗が気になる」と回答。「自身の枕の臭いが気になるか」という質問では、全体の33.3%が「気になる」と回答したそうです。

「枕やシーツに菌が付着しているのが気になることがありますか」という質問をしたところ、気になると回答したのは、男性が41.4%で、女性が62.0%と、男女ともに菌を強く意識しており、特に女性の衛生意識の高さがうかがえる結果。

また、世代別に菌への意識を見てみると、30代以降、世代が上がるにつれて低下していくことがわかったそうです。枕カバーの洗濯頻度についての質問では、「1週間に1度」が27.3%で最も多くなりました。専門家が、夏の寝汗対策として推奨する洗濯頻度である「毎日」、「2 、3日に一度」は、それぞれ4.5%、10.8%という結果でした。「使っていない」「頻度が決まっていない」を除く、推奨洗濯頻度に満たない人は、全体の68.8%になり、中には「半年以上洗濯をしない」という回答もあったそうです。

このアンケート調査の結果から皆さんはどのようなことを読み取りますか?枕の臭いを気にしている人は約3割ですし、枕やシーツの菌を気にする男性は4割、世代が上がるにつれて菌への意識が低下している、枕カバーの選択頻度も7割近くが推奨洗濯頻度に満たないという状況ですから、GHの利用者が声掛けをしなければ、半年あるいは1年も洗濯をしないというのも仕方ないのかと感じてしまいます。

衛生管理が必要ということがわかったとしても、布団干しやシーツやカバーの洗濯は気が向かないとなかなかできないことが多いですから、利用者さんへの声掛けはできるだけ積極的にしていった方がよいと感じました。休日はだいたい皆さん2日間ありますし天気の良い休日はどちらか1日でも、寝具の衛生管理にあててもらえるようにしていきたいなと思いました。人間の体から排泄されたものは適切に取り除き、健康を保つようにしたいと思います。
 

ここまで読んでくださりありがとうございました。次回は9章 陽光について書いていきます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?