第2回「看護覚え書」のおぼえがき
私は障害のある方が利用するグループホーム(以下GH)に勤務しています。そこで行ったGH内研修での記録です。今回は1章の換気と保温を読んだ感想をメインに書きます。
1.換気と保温
1章は、換気と保温について改めて考える良いきっかけになりました。ナイチンゲールがこの本を書いた時代と現代では家屋の機能も、使用している暖房器具も違います。現代ではエアコンは生活に欠かせないものになりましたし、空気清浄機なども充実しており窓を開けなくても快適な空気を得られると感じます。
しかし、この章ではっと気づかされたこと。それは、普段ほとんど意識していませんが人が吐き出した呼気によって空気が汚れるということです。確かに、人は空気を吸って酸素を取り入れた後は、二酸化炭素をたくさん含んだ空気を吐き出しているのです。締め切った部屋ではその二酸化炭素の濃度はきっと高くなることでしょう。早番勤務の方は朝、それぞれの居室に入った時にどう感じますか?ナイチンゲールが言っていたようにむっとする空気だったら朝起きたら窓を1度は開けて換気を促してもいいのかもしれませんね。
また、利用者さんはお天気が良い日も洗濯物を部屋干しすることが多いです。部屋干しするということは、当たり前ですが洗濯物の水分が部屋の空気中に含まれるということです。そして洗濯物から出た水分を吸うことが健康に良いことなのか考えてみるというナイチンゲールの想像力にはっとしました。160年前ですから洗濯機があるわけでもなく、洗濯の水が日本の水道からでるような綺麗な水ではないでしょう。普段当たり前すぎて考えてもみないことを指摘されるとナイチンゲールの観察力と想像力に感心するしかありません。
更に思いだしたのは、ある居室で入居者がおらずクローゼットの扉を閉めっぱなしにしていた時のことです。クローゼット内の床に一面青カビが発生したことがありました。その居室はナイチンゲールが言っていた(新鮮な空気が入る可能性は全くなく、一筋の陽光も差し込んで来ない)ほどの閉めっぱなしの部屋ではありませんでしたが、クローゼットの扉を閉めっぱなしで青カビを発生させたことはそういったことに思いが至っていなかったわけで、このナイチンゲールの記述にもはっとしたのです。
それ以来クローゼットのドアも開けて換気しています。青かびの再発生は今のところありません。
イギリスの気候と日本の気候、また160年前と現在では窓を開けた時の環境等々多くの違いがあります。エアコンなどの家電製品も現在は普及しています。そのため窓を開けての換気などは意識して行っていなかったところ、コロナの感染予防によってエアコンをつけながらも窓を開けるという換気の方法がされるようになりました。それがいいのかどうかはわかりません。しかし、160年たっても変わらないことは換気をして新鮮な空気を取り入れることは健康につながるということです。
人が健康を保つためには新鮮な空気が必要であること。体を冷やさずに新鮮な空気を取り込むこと。そのためのヒントをこの章では学ぶことができました。
ところで本書の副題の「看護であること 看護でないこと」については前回の序章の中にありました。
看護であることは、体内の回復過程を促進させること。
反対に、看護でないことは生命力を消耗させることです。
これにポイントを当てて第1章を振り返ってまとめにしたいと思います。
この章で書かれていた換気についての看護であること。
・いかなる場合も空気は常に屋外から、しかも新鮮な空気が入る窓を通して採り入れること。
それに対して看護でないこと。
・他の病室の空気が流れ込んでいる廊下の空気を病室に流れ込ませること。
・まったく風が通らず、ガス灯や食物の臭い、あるいは各種のカビの臭気などがいつも充満している広間からの空気を病室に流れ込ませること。
・地下の調理場、下水溜、洗濯場、便所、糞尿が詰まってあふれ出た排水溝からの臭気を病室に流れ込ませること。
・四方を囲まれた中庭などからの空気を取り入れること。(風のほとんど吹き抜けない中庭からの場合は広間や廊下からの空気と同じくらい汚れている)
換気についての看護であること、看護でないことは以上のように言えることができます。
保温についての看護であることないことはどう書いてあったでしょうか。その点にも注意して読んでみてはいかがでしょうか?
この章を読んで改めて、換気と、寝具類を清潔に保つことを利用者へ呼びかけることになりました。また、体を冷やさないことや室内を適切な温度に保つことにも気を配っていこうと思いました。
私的にはMizuhoさんのこちらの記事もお勧めです。
ここまで読んでいただきありがとうございます。皆さんの参考になることが1つでもあれば幸いです。
次回は、2章住居の健康について書いていきます。