母さん、結局公務員が安定ですか⑩
好きだと告白したら、彼には彼女がいることが判明。地雷だらけの彼女を抱えている彼を友達として見守ることにした。コロナ禍就職記第10話マッチングアプリ編。
【前回のお話】
1.友達以上恋人未満
彼に想いを伝えて数日は、これまでのようにラインを送れなかった。
しかし、「彼にこれからも友達でお願いしますって言ったのは私の方だ。私から会話しなきゃ!」と思い、止まっていたラインのやり取りを再開した。
彼との会話は、不思議と以前のように楽しかった。それからは一緒に予定を立てて、一緒にスポーツをしたり、ご飯を食べたり、彼女がいることを知りながらも彼の家で遊んだりした。
振られてから初めてお家に上がる時は、流石に彼女に対して罪悪感しかなかったが、彼が時折「彼女といる時と違って何倍も楽しい」と言ってくれるから正直嬉しかった。
でも、この一言が当時の私にとっては本当に甘い言葉で、
そして、そのくらいの時期から私は彼の行動に翻弄されるようになった。
2.緊急事態発生
梅雨のある日、私はまたも彼のお家で晩御飯を作って食べていた。
でも、その晩の天気は大雨。傘は持ってきていたが何も役に立たないほどの雨だった。しかも雷まで鳴り始めた。
帰る時間には止むだろうと思ったが、一向に止まない。しかも、二人ともお酒を飲んでいたので最寄りまで送ることもできない。
私は彼女がいる男の人の家に上がっても、絶対に泊まってはいけないという謎の線引きをしていたのもあって(今なら、まず家にあがることさえあり得ないと思っている。)、帰りは絶対にタクシーで帰ろうと思っていた。
日付が変わるころ、どれだけ待っても雨は止まなかったので、タクシーを呼んで帰ろうとしたら、
「こんな雨だし、泊まってく?」
「え、いや...ちゃんとタクシーで帰れるんで大丈夫です。」
「お泊りセットあるし、着替えも貸すからいいよ。」
(は...え?泊まれるの嬉しいけどこれは、だm...)
「どうする?俺は全然構わないけど。俺ソファーで寝るし。」
「あ、じゃあ...お言葉に甘えて。」
お泊りを提案されたのは初めてではなかった。彼女がいることを知る前、帰る時間が遅くなると、その度にお泊りを薦められていたが全て断ってきていた。
だが、そんなやりとりをしているときも雷は鳴るし、雨は酷くなる一方。その時の私は、お家に帰れない理由を自分の中でこじつけて、初めて彼のお家に泊まることを決めた。
今回はここまで!次回予告!
お泊りをすることにきめたわたし。寝る準備を終えて寝ようとした瞬間...。
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