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それぞれの帰る場所①

実家の玄関先には、手のひらサイズのドワーフの置物がある。

ドワーフは籠を抱えていて、小さめの造花をさして飾れるようになっている。

母はしばらく、その置物を放っておいたが、ある時100円ショップで可愛い造花をみつけて買ってきた。

さあ、お花を飾ろうとドワーフの籠に花を挿そうとしたが、なんか籠の奥につまっている。

あれ?と覗いてみると、億劫そうにカエルが出てきた。どうやら、宿にしていたらしい。

「なんだ、いたのか〜」と母はカエルに謝って、そっとドワーフを元の場所に戻した。

それから、毎日、ドワーフの籠を覗くのが母の日課になった。

カエルは、昼間はでかけていて、夜になると戻って来るらしい。

きっと、カエルにとって安全で快適なおうちなのだろう。

その話を聞いてから、小さな籠にピッタリ収まって眠っているカエルの姿を想像する。なんか快適そう。

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