「侍タイムスリッパー」
「侍タイムスリッパー」という映画を観に行きました。幕末の侍が現代の時代劇撮影所にタイムスリップし、「斬られ役」として第二の人生を懸命に生きる姿を描いた作品です。
コメディでありながら、時折ほろりとさせる場面もあり、非常に良い映画でした。有名な俳優さんが出演しているわけではありませんが、その温かみあるストーリーに心が動かされました。
私は中学生の頃、家業の運送会社が継父の放漫経営の影響で倒産してから、経済的に困窮した経験もあり、読者やTVで映画を見ることに没頭するようになりました。
大学生時代にはバイトと大学を往復した思いでしかありませんが、名古屋のヘラルドシネマで古い映画を3本立て500円ほどで上演しており、月に一度の映画を鑑賞が数少ない楽しみの一つでした。
大阪に来てからは7年で、アマゾンプライムで約700本近くの映画を視聴しましたが、どれも深い印象を残しています。
この映画「侍タイムスリッパー」もまた印象的で、手に汗握るチャンバラ活劇も見どころです。「自主映画で時代劇を撮る」という無謀な挑戦に、コロナ禍で資金難に陥りかけた監督を救ったのは、東映京都撮影所でした。わずか10人ほどの自主映画チームが時代劇の本場、東映京都で撮影を行うという前代未聞の事態が実現しました。半年に及ぶ苦闘の末、映画はなんとか完成し、2023年10月の京都国際映画祭で初披露されました。上映中には客席から大きな笑い声が起こり、エンドロールでは自然発生的な拍手が沸き起こり、関係者たちはその瞬間に胸をなでおろしたそうです。
初号完成時の監督の預金残高はわずか7000円。監督は「地獄を見た」と語り、その制作過程の厳しさがうかがえます。
派手ではないですが、公開延長になっただけあって、すごくいい映画でした。
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