たった一つの質問が人生を変える瞬間:ジョセフの成功物語
40年以上前、ある小さな町の片隅に、18歳の若者が住んでいました。彼の名前はジョセフ。家もなく、仕事もなく、彼はダンボールで作った簡単な家で暮らしていました。全財産はわずか数ドル、 日本円にして千円以下という、まさにホームレスの生活。
ある日の午後、ジョセフはオートバイで道を走っていました。道の先には何もない広い空間、でも彼はどこに向かうともなく走っていたのです。突然、空が曇り、次の瞬間には激しい雨が降り出しました。オートバイに乗っていたジョセフは、雨に打たれてびしょ濡れ。身体中が冷え切り、心の中でつぶやきました。
「くそっ、最悪だ!」
そして、さらに不運が続きました。雨に濡れた道路でオートバイのタイヤがスリップし、ジョセフはそのまま転倒してしまったのです。オートバイは壊れ、彼もアスファルトの上を高速で転がり、全身を擦り傷だらけにしました。血が流れ、体中が痛みます。
傷だらけになりながら、ジョセフは壊れたオートバイを押しながら、自分のダンボールの家へと帰っていきました。しかし、その帰り道も運命は冷酷でした。雨でダンボールの家が崩れ、彼は途方に暮れました。
その夜、時計の針は深夜の12時を指し、どこからともなく教会の鐘の音が響いてきました。その時、ジョセフはふと気づきました。今日は彼の19歳の誕生日だったのです。
彼はその瞬間、胸に湧き上がる怒りを感じました。「なんで俺だけこんな目にあわなきゃいけないんだ?」「なぜ、何をしても上手くいかないんだ?」心の中で叫び、雨に濡れ、血まみれで、孤独な誕生日を迎えたのでした。
その時、ふとした瞬間に一つの質問が頭に浮かびました。それは、これまで一度も自分に投げかけたことがない質問でした。
「自分は何が欲しいだろうか?」
ジョセフは、驚くほどシンプルなその質問を心の中で繰り返しました。これまで、彼は自分の人生や状況に対して不満を感じていた。しかし、この質問を自分に投げかけることで、彼の意識が少しずつ変わり始めました。
「仕事と、住む家と、彼女が欲しい。」
それが彼の答えでした。19歳の誕生日、血まみれで、ホームレス状態の彼が心から願ったのは、ただその3つのものだったのです。それは、どんな人でも望むような普通のもの。でも、その時のジョセフにとって、それはとても大きな意味を持つものでした。
彼はその日から、何もかもを変える決意をしました。自分の不満や怒りを捨て、行動を起こす覚悟を決めたのです。
そして、驚くべきことが起きました。たった2週間後、ジョセフはすべてを手に入れました。仕事を得て、住む家も見つかり、さらには素晴らしい彼女にも出会ったのです。
それから20年が経ち、ジョセフは億万長者になっていました。かつてのホームレスの少年は、立派な成功者となり、多くの人々に影響を与える人物になっていました。
ジョセフはその後、こう語ります。「あの時、あの誕生日に、たった一つの質問が僕の人生を変えたんだ。『自分は何が欲しいだろうか?』その一言で、僕の意識は受け身から能動的なものに変わった。そして、その変化が行動を変え、結果が変わったんだ。」
彼が教えてくれたのは、どんな状況にあっても、自分の望むものを明確にし、そのために行動を起こすことの重要性です。人生は決して簡単なものではないけれど、変わりたいと思ったその瞬間から、すべては始まるのだとジョセフは私たちに教えてくれています。
「あなたが本当にほしいものは何ですか?そして、そのためにどんな行動を起こしますか?」
この話は世界ナンバーワンコーチといわれるアンソニー・ロビンスさんのパートナーとして30年以上前からコーチングやアンソニーさんのセミナーの司会や講師も務めてきたジョセフさんという方の実話で、ターザン麻生さんという方から聞いたお話です。
今一度、「自分は本当に何が欲しいのか?」と問いかけてみてはいかがでしょうか?