見出し画像

小倉智昭さんのメッセージ:後悔しないために今、できること

故・小倉智昭さんが昨年3月30日の日本経済新聞に〈「老後にやろう」はダメ〉と題したコラムつづっていました。その記事を見た時4年前に読んだ『DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール』(ビル・パーキンス著)という本を思い出しました。この本では、「人は生物学的に衰えていくからこそ、若いうちにたくさんの経験を積み、思い出を作ることが人生を豊かにする」と説いています。

小倉さんも生前、「老後にやろう」と後回しにしていたことへの後悔を語り、「若いうちにやりたいことをやるべきだ」と強調されていました。また、シニア世代の起業に関する注意点として、荻原博子氏は「老後資金を自己資金に使うのではなく、融資を受けるなどして慎重に事業計画を立てるべき」とアドバイスしています。

特に心に残ったのは、小倉さんの「健康でなければ多くのことができない」という言葉です。健康は時間やお金以上にQOL(生活の質)を左右する大切な要素であり、若いうちからしっかりと考えて行動することが重要だと感じました。

『DIE WITH ZERO』の第6章では、人生における「時間の使い方」について深く掘り下げられています。この章は、ただお金を追い求めるのではなく、豊かな人生を送るために「どのように時間を使うか」が最大のテーマです。著者は、人生で最も大切な資源は「時間」であり、それをどう活用するかが幸福に直結すると述べています。特に、若い時期に体力を活かして思い切り経験を積むことが、後の人生の満足度に大きく影響すると強調されています。

さらに、この章では、物質的な豊かさではなく、経験を重ねることが本当の価値を生むと考えています。例えば、旅行や新しい趣味に挑戦すること、人とのつながりを大切にすることが人生を本当に豊かにする方法だと教えてくれます。この考え方は、特に今の時代に必要な価値観だと感じました。

小倉さんは次のようにも話していました。

「体が動くうちに海外旅行をすればよかった。ワインのおいしいお店に行っても自由に飲めない。若いうちにやれることがあったらやったほうがいい。老後にやろうと思っていても、老後になるとできないことがあまりにも多すぎる」

小倉さんの言葉や教訓とともに、人生をどう豊かにするかを考えるきっかけになればと思います。

またこのの話を聞いて、思い出したのは私の知人の話です。彼も定年後に自分の夢を追いかけて起業をしたのですが、最初はすごく意気込んでいました。ところが、いざ事業を始めた矢先に健康を崩し、思うように動けない日々が続きました。それまで十分な準備をしていたと思い込んでいたのですが、体力的に無理がきて、結局、事業の運営どころではなくなってしまいました。彼は後悔の念を持ちながら、「もっと若いうちに無理をしないうちに経験を積んでおけばよかった」と語っていました。

彼の話を聞いて、改めて健康の大切さを実感しました。お金や時間に余裕があっても、体が動かないと、せっかくのチャンスを無駄にしてしまうことになるのです。小倉さんが語ったように、健康であるうちに経験を積むことが、将来的な後悔を減らすためには欠かせないことだと痛感しました。

また、別の例では、ある友人が「老後の楽しみ」を先延ばしにして、結局その楽しみを味わうことなく、健康を崩してしまったケースもあります。彼は「60歳になったら世界一周旅行に行く」とずっと言っていたのですが、70歳を迎える頃には体調を崩し、旅行どころではなくなってしまいました。いつも「次のステップ」「次の機会」を考えて行動することを優先してきましたが、実際にはその「次」が訪れることなく、できなかったことがたくさんあります。

これらの話を通じて、私は小倉さんや友人たちの教訓をしっかり胸に刻みました。自分の時間をどう使うか、健康をどう守るか、そして何より今のうちにやりたいことを実現することが、未来を豊かにする秘訣だと改めて感じています。

いいなと思ったら応援しよう!