春分を過ぎ久しぶりに人工海浜 「いなげの浜」を見にいった
春分を過ぎたのと花粉症が酷いので、なるべく花粉の付着しないシャカシャカオーバーパンツに皮のジャケットにナイロン製のキャップといういで立ちで出かけてみた。海岸に着く前に失敗したと思った。風は冷たく日差しはある物の寒い。海岸に着いた時には手はかじかみ体はカチコチになっていた。朝花粉症の薬を飲みマスクはしているもののもう鼻水が…駄目だと思い上を向いて歩いた。
ここ数日風が10メートル程も強く吹いていたので、海はおおしけだった。
今日も風が強くしっかりとかぶったキャップが何度も飛ばされそうになる。足や体、顔に当たる砂が痛い。
足元を見ると砂が風に流されて、まるで地面が動いているように見える。人は、いなかった。
何時もは波の音が心地いいのに今日は風の音と飾江にあおられて波が砕けるボーザ―という音しか聞こえない。
せっかく去年の春に入れた白い砂は荒波に流されビーチは黒から濃いグレー色になっている。
自然はこんな東京湾最奥でも荒ぶると怖いと思う。
すべての物を流し去っていく
あまりの風の強さに防風林に逃げ込むと寒さが少し和らぐ。
海は陸上よりも季節が3か月遅れで進むと教えられてきたが、深緑から黄土色になった海を見ていると3か月遅れどころか、全く関連性が無いように思える。
今日もビーチを往復してみたが、生物=カニや貝などは見つける事が出来なかった。
去年春入れた白い砂が削られ地層のように見える。およそ7センチほどの白い砂の層が渚ラインから5メートル程離れた距離に続いていた。
一隻だけ作業をしている船が見えた。何の作業をしているのかは分からない。こんなにしけた海で作業をするのは命懸けだなと思うも船の上に人の姿はなかった。
濁った海には生物の姿の気配すらなかった。
防風林の先には、動物遺棄禁止の立て札が有った。
悲しい。
風が冷たく強く寒いので、生物の居ない人工ビーチを去る。暑くなる6月頃には、「生物が居る生きた海」になるようにと思いながら。