|短編小説|・カゲ達とは,ぼくたちとともに何やらやりたがってるみたいで,ということの顛末が、謎のナンタラ・カンタラ……どゆこと……………。
うすおぼろげながら…………
うすおぼろげなままに………
うすおぼろげなだけに………
影たちとの意思疎通は、はじまった……
影たちは、ぼくのあたまに上から手を下ろし
ひたいに両手を重ねて何やら……モゾモゾ、うごかしていた………………
影たちは、ヤミの中でなにやら自分たちだけの、自分たちだけしか分からないコード、音楽のような音でコミュニケーションをとっているようでした…………。
そして、その音楽のような言葉はコミュニケーション手段として、幾つかのコードがあるようでした。
それはクラッシック音楽のような、時に優雅であり、それは時にはデス・メタルのような産まれたての仔山羊を殺した血で血を塗りたくるドロドロした過激きまわりない強烈なものであり、それは時には小さな子供が小さなオカリナで吹く純心な純朴な幼いココロに響くものでありました……………。
影たちはぼくに、何らかの音づくりを期待しているようでした……それは影たちの、ぼくのあたまに置いている様々な手から伝わる………
思念のようなものから、それは伺いしれました………。
ぼくは、歌った、 ハミング音を,少し。
ぼくも、影たちのようになろうと、チョット想った。
存在感も何もなく……違和感も何もなく……嫌悪感さえもなく………ただ、シャドウ・マンの
ように、影そのもののようになろうと、少しばかり想った。
じゃあ?もしぼくが影たちのように、この体
そのものを亡くしてしまったら……
どうなる?!
もとの僕には戻れなくなったりしたら………
どうするの??!
考えることを、すこしばかりで辞めてしまった。
もう、よそう………。ただ今は影たちと共に、
思念、夢想的な、妄想、空想、無念、等とともにたよとう………。
そのうち、やがてというか、影たちは薄暗がりに数多くの分裂を繰り返していた。ぼくは放っていたままだった。それは何か古代の、滅んでしまった何かの文明の饗宴、娯楽としての酒宴でおこなわれる舞踊のような印象をぼくは受けました…………
それは、時にエロティックに官能的で、時に扇情的に迫って来て、それはまれに流動性があり、なめらかであって、はかなさをも感じさせ、哀しみを、悲しみのリズム感を振動としてこちらに伝えようとしているようでありました………………。
そうこうしているうちに影たちの背後に巨大な闇が凄いスケールで大空へと一気に拡大し
足もとの大地でさえ、足が震えるくらいの恐ろしさ、ダイナミズムで闇が途方も無いくらいの奥底までの地下へと、落ち込んでいき、ぼくはグラグラと、自分の自尊心、PRIDEがコナゴナに砕け散るのをカラダを全体にしっかりとガクガク恐怖で震えながら腰が抜けるのを体感しながら………ぼくは………ふるえた…
…………………、
そして、夜空のような上空を見上げると、何と、そこにはとても大きな大きな月が…………
九つもの月がこうこうと煌やいていた
ぼくは、ぼくは、ぼくは……この異様な事態に、とりあえず正気を取り戻そうとした……
最初の、影たちのように、訳の分からない観念の様なものを通り越した、僕自身さえなんだかわからない状態のころにもどって、自意識をもとに、もとに、とりあえずもどそうとしました……、たんねんに、たんねんに、ただひたすら、たんねんに、たんねんに…………
ぼくは、気づきました……
ぼくはニンゲンじゃあ……ないってことに……
といっても影たちのようにでもない……………
じゃあ、なんなんだろう?……………………………
そうだ!!
ぼくは、ぼくは………
はるか、はるか、はるか、気の遠くなるほどの太古の昔から生き続けてきた、大いなる巨大な力で、この世を支配し続けてきた巨石で出来た巨人族の……末裔………だということに…
……………。
それは、呪われた、嫌われた忌み子としての自らの宿命なのだという……。
凶凶しい永遠の終末。