|空想短編|アイ・[愛]・システムについての仕様変更のお知らせ…………。
真っ白な空が、広がっている空の下、アルミニウムや鉄鋼、ジェラルミン、で出来た、か細くも精密機器で創り上げられた、全てが機械化され全ての出来事、物事、事象が完璧なまでに管理された自律式機械化社会は存在していた。それは、それは甘ーく、甘ーく、スウィートな、スウィートな、全てを包み込む
母親的な母性の愛情に包まれた、完璧な甘美な愛情に包まれた極楽の楽園なのでした。
名づけられないその都市を監理しているの
は アイ・システム と言うハイパー超高
度な緻密すぎるくらいの無限に発展し続け
ていく恐ろしい人工知能の極みとして造ら
ていく狂気のシステム。それがアイ・シス
テムである。狂気のシステム仕様なのであ
った。
その大都市は、蜃気楼の楽園の様な幻影にカバーされていましたが、裏通りに入れば、薄汚れたドブ臭く、廃液まみれの、公害のひどすぎる汚染都市であった。そんな街の廃墟と化したボロイ工場に、とある子猫が、汚い生活をかろうじて生き抜いていた。 その名をラブちゃん と言われてた。
ラブちゃんは子供のオス猫で、珍しい白い、
オッド・アイ、片目が金色、もう片目が鮮やかなブルーだった。でも体は白色だけど灰色に薄汚れ、食うことにも事欠く、カツカツの
日々でした………ですが、アイ・システムのおかげで目の前の現実はバラ色の幸福感に包まれていたのでした。
ラブちゃんのまわりには、毎日、毎日、様々なロボットが忙しく出入りし働いていた。でも、ロボット、といってもみな、みすぼらしくか細い針金をつなぎ合わせ、その上に複雑かつメカニカルな頭が乗っかってる、そんな陳腐な機械達なのでした。
ラブちゃんは、そんな機械人形達と、毎日会話を交わし、時にユーモアに、時にオモシロい話題で、楽しい日々を過ごしていました。ラブちゃんは左右の目の色をコロコロ変えて
アイ・システムが創り出した機械達の動作に興味しんしんでした。機械の彼らはアメリカと言う、かつて存在した国のコメディアンの様にアドリブを効かせて、ラブちゃんを笑わせるのでした。
ラブは、目先の過酷な現実よりは、アイ・システムのミルクの様な仮想現実の甘い世界に、のめり込み充実しきっていました。まるで、真っ白なミルクに真っ白な毛色のラブが泳ぎながら溶けてしまうように……………。
白猫,ラブちゃんは真っ白な牛乳,ホワイト・ミルクの様なアイ・システムの仮想現実の液体の中を気持ち良さげに目を閉じて、両前足をかきかき、両後ろ足をかきかき、どこまでも泳ぎ続けるように、快楽の思うまま生活をしていきました。
その時だった!アイ・システム
がシステム異常を起こして機能
を停止したのだ!!世界が闇に
包まれて、この世の一切が無く
なってしまった!!
ついさっきまで、にこやかでユーモア溢れる
アドリブを利かした機械の人形たちが、暗闇の中、気が狂った様に、辺りを破壊しまくり、殺戮マシーンと化し、あらゆる生き物達を殺しまくり、それを見たラブは全身の毛が逆立ち、フーーーッ!!と、警戒感を表し、恐れおののき後ろに飛び上がって怖がりました。
ラブは、キョロキョロ、左右の金、ブルーの両目を入れ違いながら、怯えながらピンク色の鼻をナメナメして冷やし、足の裏のピンク色の肉球にじんわり汗をかきながら、廃工場の壁の穴に逃げ込み事態の行く末を、じーっと見守っていました。
どうなっちゃうんだろう……………?
ですが、この異常状態も長くは続かず、空が
明るみ始め、また、以前のこの世に光が差し始めてきたのでした。すぐにアイ・システム
は復旧作業を起こしていたのでした。
小心者の、白猫ラブは、またもとの生活に戻れたことを、ニャンニャン,キャピキャピと飛び跳ね、辺り周辺を、飛び回りながら心の底から喜びました!
小心者のラブはシステムが復旧しつつある、完璧なアイ・システムがもたらすこの世の秩序が、何時までも続くことを、朝日をながめカタツムリ座りで心の中から切に願いました
。てきとーに大きなアクビをしながら、のん気に。
ラブちゃんは、実は怖いのです。またこの完璧なアイが、システム異常を起こして、あの
暗闇に戻ることを、笑顔の裏に恐怖しつつ、
猫が何か不満を示す時や、興味しんしんの時によくやるしっぽをフリフリしながら、微妙に怖くてしっぽを震わせながら……………………
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