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直らない夜行性

僕は夜更かしが好きである。特に夏になると闇が強くなるにつれテンションが高まるので、夜行性と言っていい程僕は深夜に活動的になってしまう。寝る時間は大抵午前3時を過ぎる事が大半で、目が覚めると昼近くになってしまっている事もしばしばである。

一体何故僕は夏になると夜行性になるのかその理由を探ってみると、それは夏の夜の闇の強さに幽霊の気配を感じ取りたいからなのだと思う。そもそも僕が小学生の頃は1990年代のオカルトブームの余韻がまだしっかりと残っている時代で、「学校の怪談」のトイレの花子さんだとか、六番目の小夜子等が流行していた。

学校の怪談のトイレの花子さん
NHKで2000年に放送された、六番目の小夜子

それに今ではやらなくなってしまったらしいが、ビートたけし奇跡体験!アンビリバボー等でも頻繁に心霊写真等が取り上げられていたものだった。

懐かしいアンビリバボーの心霊版

そうなると子供という生き物はすぐに影響を受けてしまうものである。ご多分に漏れず単純で馬鹿な僕はすぐに霊を見てみたくなって、近所の人気のない場所へ行ってみたり、林間学校の際は夜に無断でログハウスから出て森を一人で彷徨ったりしたものだった。

それでこれは信じるか信じないかはあなた次第だが、その時の僕は霊を見る事は出来なかったものの、霊のような気配を感じ取る事は出来たのである。ちなみにその気配とは冷気のようなもので、今まで湿度も気温も高い空間を歩いていたのに、急に背後に冷蔵庫のような冷たい空気が流れ出すのである。

それも時間にすれば約3秒程度の事だったが、驚いて背後を振り返ってみても当然誰もそこにはいないのである。なんだ、たかがそんな現象の事でと笑う人もいるかもしれないが、僕はあれは霊が僕の背後を通り過ぎていったサインだったと思っている。僕はこうした現象を小学生の頃まで夏になると毎年体験していたものだった。

そして不思議な事に中学生になると、その現象は体験する事が出来ず、それは大人になった今も同じである。この現象は僕にとって結構強烈なインパクトを持つ出来事だったので、それ故に夏になると、再度人気のない道を歩いたりして再体験したいと考えてしまうのだ。しかしながら三十二歳になった僕が着流し姿で夜の街を徘徊しても背後には冷蔵庫のような冷たい空気を感じ取る事は全くなく、それどころか、警官に背後から声を掛けられて職務質問されるのがオチであるのだが。なのでもうそろそろこの夜間夜行性も直していきたいところではある。

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