高学歴芸人への違和感
かつて僕は漫才師を目指していた。僕は1992年生まれだが、M-1グランプリ等を観て漫才師に憧れたクチではなく、高校時代にYouTubeで1980年代前半の漫才ブームの頃のツービートや星セントルイスの漫才に惹かれて漫才師を目指したクチだった。実際吉本興業等がやっている芸人養成所等には通ってはいなかったものの、大川興業のライブにピン芸人として出場する等してお笑いの腕を磨いていた時期がある。
故にか分からないが、僕は芸人という職種に関してちょっとしたこだわりがある。中でも今流行りの高学歴芸人は芸人ではないと思っているのである。特に昨今クイズ番組が増えた事も相まってか、東大出身芸人だとか、京大出身芸人だとかの高学歴芸人がTV界で台頭し始めた気がする。
しかしである。果たして芸人や漫才師に学歴が必要であるのか、と僕は訝しく思ってしまう。やはり芸人というのは、漫才師なら漫才、漫談家なら漫談、コント芸人ならコント、とその芸を極めてこそ芸人なのではないだろうか?少なくともクイズ番組に出演して自身の知識をひけらかして脚光を浴びる事が芸ではないはずだ。
そもそも芸人の世界とはドロップアウター達の駆け込み寺のような存在であったはずだ。なんらかの事情があって学校に進学出来なかったり、正社員になれなかったりした人達が仕方なく足を踏み入れていたという側面が昭和の頃までは少なからずあったはずである。しかしながらいつの間にか売れた芸人が(ダウンタウン等がそうだが)若者のアイドルと化して芸能界で幅を利かせて以来、芸人を目指す層というのにも変化が起こり、大卒の芸人が増えていったという訳なのだろう。
時代の流れといえばそれまでなのかもしれないが、どうも今の大卒の芸人達は「〇〇大学卒です」とか「高校の偏差値は〇〇だけありました」とか言って人の反感を誘う、どうでもよい情報のひけらかしが多くて好きになれない。しかし僕がそう思うのも、僕自身が高卒であるからしての僻みかもしれないが。