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関東めぐり愛③・与野

現在、与野駅前で毎年10月頃行われる「大正時代まつり」によって与野市の全国的な知名度は段々と上がってきていると云う。大正時代をクローズアップした最近の流行漫画である「鬼滅の刃」の影響も大きいのかもしれないが、今日本人が100年前の日本に注ぐ視線が熱い。所謂大正ロマンが老若男女の脚光を浴びているのだ。

と云う訳でご多分に漏れず私も大正時代の気分に浸りたいと思い、この与野駅前の「大正時代まつり」に初めて参加したのは今から5年前の2019年の事。実はその頃の私は「大道芸研究会」と云う社会人サークルに加入しており、その中のあるバイオリン演歌師に師事していて、その手伝いとして「大正時代まつり」に参加したのだった。「大正時代まつり」に参加された事がある人は着物と袴姿でバイオリンを弾きながら昔の演歌などを歌っている一団がいた事を覚えている方もいると思うが、その一団に当時の私は加入していたのである。

でその時から旧制高校生の恰好(勿論、自前)をして私は訪れたので、まつりを通して午前と午後の2回行われる仮装パレードにも参加をし、観客の注目を浴びたものだった。そしてその中には現代を生きるモダンガール事「淺井カヨ」さんもおり、気さくに握手をして下さった事をよく覚えている。

仮装パレードに参加している年齢層もその時は20代、30代が多めで、若年層における大正時代の人気の高さを伺わせた。最もその中には所謂日本軍の軍服が好きな「軍服マニア」も沢山いて、彼らからすれば大正時代まつりも敗戦の日の靖国神社のように、堂々と旧日本軍の軍服を着られる場としてのみ認識しているだけなのかもしれない。正直、日本軍にかかわらず軍服を気軽に着る人に良いイメージを持っていなかった私はそれを見て複雑な気分だったが、その3年後の2022年(2020年、2021年の大正時代まつりはコロナにより中止となった。)の大正時代まつりにおいて、軍服を着たあるコスプレイヤーの方に記念写真を要望され、その際の交渉の仕方が丁寧だった事から、私は了解して一緒に写真を撮るまでになった。そうした人達に対する偏見が薄れた瞬間だったのかもしれない。

ちなみに今年の大正時代まつりには行かなかった。本当は行きたかったのだが、仕事が入ってしまい、行けなかった形だった。来年は大正に直せば、大正114年。もう後2年もすれば、100年前が大正ではなく、昭和になってしまうと云うそういう時代に入る事になる。だからこそ来年、再来年の「大正時代まつり」には例年とは異なり大々的な仕掛けを仕掛けて欲しいと思っている。街の景観はとても重要なのだが、どうしても再開発された後の与野駅前が大正時代とかけ離れている事は、如何ともし難いのだろう。最後に軍人さんと撮った写真と再開発される前の与野駅前で行われた「大正時代まつり」と今年の「大正時代まつり」の映像を載せておく。

旧制高校生の恰好をした筆者とコスプレイヤーの軍人さん


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