独男の相性
みんなの最寄り駅の前の広場
そ「まだ来ないのかな?薬のお陰で
前よりは異性に抵抗はないとは
思うんだけどなぁ……。」
そ「やっぱ手汗凄いよな、
緊張すると幼い頃から足裏の汗と
手汗が酷いんだよな。
こればかりは一生治らないのかね?」
ゆ「あ!そうだおにーちゃん!」バッタリ
そ「ち!……ちちょう!?」ギクッ
ゆ「おにーちゃんどうしたの?
べんちにすわったりなんかして……」
そ「……えっ、えーと。待ち合わせだよ!
い、妹の友達だったかな?なんか
音楽の趣味が一緒だとか言ってて
意気投合してさ!ね!それで……」
?「もしかしてしそさん?」
そ「つっ!」チノケヒク~
セ「あーお待たせしました、
20分くらい遅れてすみません。
それで私前払い制なので事前に
費用を頂いているんですけど……
メール見ましたよね?」
ゆ「えっ!?いもうとさんの
おともだちじゃ?」
セ「今回はホテル代交通費含めて
更に初めてということで25kとなります」
そ「……た、立ちくらみが酷い。」
ゆ「おにーちゃんどういうこと!?」
セ「あのー、早く頂かないと
次のお客様が待っておりますので。」
セ「25000円。持っておりませんか?」
そ「……」
セ「……」
ゆ「……」
ゆ「……おにーちゃん。
どういうことなのかせつめいしてよ!!」
そ「うっ、ううっ……。」フラフラ
ゆ「へーおにーちゃんもそういうひと
なんだね?えっちなことばかり
かんがえておかねはらって
えっちなおともだちつくるんだねー。
へー」
そ「……ち、違う!俺とちちょうは!」
ゆ「じゃーねおにーちゃん。
もういっちゃいむしするから」とてとて
そ「待ってくれよ!」シュッ
セ「……」
そ「待ってくれよ!ちゃんと!ちゃんと
説明するから!頼むよぉ……」半泣き
ゆ「…………」てくてくてくてく
そ「……ハッ!女ってそんなんで
離れていくもんなんだな!男と
同じじゃねーかよ」
ゆ ぴたっ
そ「前も言ったよな?おにーちゃんは
遠い遠い遠戚の兄貴だって。
そりゃゆーくんが成長して
結ばれたのなら手首切ったり
首をひもで絞めたくなるだろうなぁ!
でもな!友情ってそんなもんなのか!?
男と女は友情はないだって?違う!
これは愛に近い友情なんだ!」
ゆ「……」
そ「ゆーの未来はネットの世界で
少しやらかしてそれからなのか
心を閉ざすようになったんだ。
でも今じゃ立派なキャリアウーマンだ!
言い方古いか?ハッ!そんなゆーと
話し相手にすら俺を見てくれはしない。
性格や過去が似てるのなら
尚更分かるはずなのに、
誰にも見向きもされない寂しさを。
なのに……なのに……昔のちちょうにすら」オエツ
ゆ「……わかった。」
そ「!?」
ゆ「ぼくのことをみすてたりしないね?」
そ「……もちろんだとも」ゴクリ
ゆ「……」
ゆ「じゃあまたね!そうだおにーちゃん」
そ「……」
そ「……ありがとう。」
そ「あ、待って。
前からハグしたくなった。
いい?」
ゆ「…………」
とてとてとて
むぎゅうううううううううううう
そ「やっぱりちちょうはあったかいな。
あたまがぽかぽかになって
ねんねしたくなるよ、いつも。」
ゆ「……フフッ」