小佐内さんの涙の理由は―アニメ『小市民シリーズ』第5話雑感―

1週間遅れの第5話雑感。
『夏期限定トロピカルパフェ事件』のまえに、食前酒ならぬ食前菓子・伯林あげぱん(ベルリーナー・プファンクーヘン)にまつわる謎解き。


『小市民シリーズ』あらすじより

冒頭で涙を流す小佐内さん。
それはあたかも、失恋した可憐な少女の隠しきれなかった嗚咽のようで――。

それを見て、初手で「また生徒指導室に呼び出されたの?」とにべもない声を掛ける小鳩くん。

まあ小鳩くんだからしゃーない。

そして、小佐内さんが恋煩いの涙を流すような物語ではないことは、『小市民シリーズ』を見続けていたら想定の範囲内だろう。

『小市民シリーズ』あらすじより

今回の謎解きは小佐内さんを抜きに、新聞部の部室で進行しつつ、最終的には小佐内さんに帰結する、という話。

新聞部で新しく掲載する菓子店の商品の記事を誰が書くかを、あげぱんの〝ロシアンルーレット〟で決めようとした。

けれど、誰も辛み成分入りのはずのあげぱんを食べたと言わなかったことから、「誰が当たりを引いたのか」を小鳩くんが推理する。

小佐内さんがその後、新聞部に「復讐」したという後日談は描かれないので、小佐内さんも今回の一件が不幸な事故だったと気づいたのだろう。

「これって、私が悪いのかな」

小佐内さんは悪くない。
シャミ子と新井が悪い(適当)

以下、ネタバレにならない程度の雑感。

『小市民シリーズ』あらすじより

・「容疑者」となった新聞部のメンバーが原作と違うなあ、と思ったら、アニメでは小鳩くんが2年生の5月のときの出来事として描かれているからね。小鳩くんや健吾と同学年の女子の一人・杉さんが、新1年生の五日市くんに変更されていて、その場にいなかった準幽霊部員は同じく新1年生の瓜野くんに置き換えられている。原作を知ってたら、瓜野くんの生意気エピソードに納得がいくし、やっぱりこのアニメは先に原作を読んだほうが楽しめるなあ。

・推理の中で必要だったとはいえ、容疑者4人にハバネロの辛さを舐めて確かめさせる小鳩くん。悶絶する4人を前に、さほど気に留めることなく平然と実験の結果を述べていく。うーん、これは周りから嫌われちゃいますね。相変わらず楽しそうに探偵役をやっててなにより。

関係ないけれど辛い物を口にする高校生で思い出したのが以下の記事。
個人的な話だけど辛い物がめっちゃ苦手で、ちょい辛口スープのラーメン食べただけで涙と鼻水止まらなくなるんだよなあ。

・推理の過程で、健吾と同学年の門地くんという小太りの男子のプライドを傷つけるような解き明かしをしてしまうのだけれど、そのことにも無頓着に見える。そういうとこだぞ。一方で、真木島さんという紅一点の女子の、恋愛がらみのプライベートに踏み込みそうになる一連のやり取りはカット。そこスルーしちゃうのかぁ、と思ったけど、尺の都合とか、まあいろいろ理由はあったんだろうなあと。

結果的に、この日も探偵役を全うして、最後は意外な結論に笑いを漏らす小鳩くん。こいついつも推理してんな。

第6話から『夏期限定トロピカルパフェ事件』の本編がスタートです。

(了)





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