馴れ初め編➄
こちら↓の続き
早朝。
携帯電話が鳴った。
電話に出ると彼の
「・・起きてる?」と言う声が聞こえる。
約束通りモーニングコールをしてくれたのだ。
「気を付けて帰ってね。またメールするし」
そんな会話を終えると私は荷物を詰め、1週間滞在したホテルを後にした。
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帰国。
確か彼は私の出発の翌日か翌々日に現地を発ったはずだ。
それまでメールはなかった。
そして彼が帰国した日、もしくは次の日くらいにメールが届く。
私がきちんと帰る事ができたのかを気遣い、改めて来月東京に行くのでその時に会おうという内容だった。
このメールは何度も何度も読んだ。
当時はLINEがまだなくて、そんなに頻繁にやり取りをする感じでもなかった。
1日1通くらいメールを送りあって、当日どこに行くかなどを話した。
夫はホラー映画が好きでお台場で映画でも見ようという話になった。
お台場・・映画・・
めちゃくちゃ定番デートだなと思いつつ帰国から1ヶ月ちょっとが過ぎていった。
そして彼の後輩の結婚式の翌日・・いよいよデートの日が来た。
彼の泊まっていたホテルのロビーで待ち合わせをしてお台場へ移動する。
商業施設に入っているエスニック料理でランチをした。
私はそれまでエスニック料理を食べたことがなかったのだが、彼がこれが食べやすいよなど教えてくれてこれ以降エスニックが大好きになった。
その後も今も本当に夫は私に色々なことをもたらしてくれる。
夫に出会わなければ知らずにいたことがたくさんある。
ランチの後すぐに映画だったのか、屋内遊園地ジョイポリスに先に行ったのか覚えていないのだがとにかくこの2か所に行った。
というのは映画の半券でジョイポリスの入場が無料でできたから、少し入ってみようということになったのだった。
ジョイポリスは私も初めてで、屋内にも関わらず刺激的な乗り物が色々とある。
時間もあまりなかったし一つだけ、謎解きのない簡単な脱出ゲームのようなものに並んだ。
ガイドさんと他のお客さん数組のグループで体験するアトラクションで、途中に仕掛けがありちょっと走らなければいけないような場面があり、
その時だった、彼が初めて私の手を握った。
なんだかその時はバタバタしていたが、とてもドキドキした。
アトラクションから出ても彼はその手を離さなかった。
つづく