学び舎
卒業することが間近に迫りし日。学び舎内に入ると纏う空気がガラリと変貌を遂げた気がした。「何が変わった?」問われても答えが出てこず。昨日の下校するときまでは空気も変貌しておらず、普段通り日常通りのままだったのに。卒業する日がもうすぐそこまで迫っているから?この学び舎で築き上げた友人とのお別れが寂しいから?「お別れはね、次の出逢いのためにあるのだよ」学び舎内で誰かから聞いた言葉が頭に思い浮かぶ。最初に聞いたときはお別れに現実味がなく雲の上の話。遠い未来の話だと思っていたのに。「時間よ止まれ」と毎夜心の中で願うが願いは叶わず時間は優しく弱い風のように無情に過ぎ去る。
果てなき人生の物語の青春の一章がもうすぐ終わりを迎える。この先の人生の物語をどのように編む?青春の一章を小さき胸に抱いてこの学び舎から立ち去っていく。