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乙女花

 秋が終わった。冬がやって来た。風が音を立て吹き荒れる。乾燥する季節がやって来た。樹木には葉っぱが花が消え果てどこか寂しくて寒々しくなった。「ついの間まで暖房器具はいらなかったのに」自身が吐く息の白さに冬の訪れを感じため息をつく。寒さと格闘しながら着替える。外へ出るため防寒具を装着すると窓から何かが見えた。興味を示し急いで外へ出るとすぐに見つけた。
 そこにあったのは一輪の花だった。小ぶりでロマンチックな一輪の花。可愛いくて誰からにも愛されていることをまだ自覚してない一輪の花。純粋でまだ悪意を知らない一輪の花。童話で例えるならお姫様。少女小説・少女漫画・乙女ゲームに例えるならヒロイン。そんな一輪の花が咲いていた。この一輪の花以外周囲に花は咲いていなかった。まるで一輪の花がずっと何かを待っている様に見える。待っているのは王子様?仲間?自らが光り輝く姿?それとも自ら朽ち果てる姿を待ってる?


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